断虫亭日乗

過ぎ去る日々の思い出をつづるだけ

少し前、わかむしのMLで「姓名順」について少し話題をもちかけ、反応からすると少なからぬ共感があったようだ。

この話題とは、ローマ字表記の「姓-名順」のことである。簡単に自分の意見をいうと、日本人が名前をローマ字表記するにあたり、「名-姓順」とすることには基本的に反対であり、できればこの(悪しき)習慣が無くなってしまえばいいと思っている。明治以来、西へ習えで、この方法がはびこってきた。そして、いままでそれが踏襲され、小学校のローマ字の授業では、名前のローマ字表記には必ず姓名を転倒することもセットで教育されてきた。しかしこれがいかに理不尽であり、同時に様々な弊害をもたらすことは、考えれば理解できる。ところが、毎日送られてくるメールの送信者名を見ると、この考えはむしろ少数派のようだ。

自分の場合、論文の原稿でさえ、名-姓順で自分の名前を書くことに、ちょっとしたストレスを感じてしまう。知り合いに聞いたことだが、それがどうしてもイヤで、姓-名順で海外のジャーナルに投稿した人がいたという。もちろん初稿の段階で名-姓順にひっくり返されたが、その人は抗議し、結局は自分の名のほうを「姓」として出版したとのことだ。つまり、山田太郎さんだったら、Y. Taro^という表記になったわけである。そこまでの主張をする自信は自分にはないが、その人は立派だと思う。

この問題について少し前、文部省の国語審議会が、日本人が外国人と交流するにあたっても、その国固有の姓と名の順で名乗るのが好ましいという提唱をした。子供たちから姓-名の順が広がっていくことを期待したい。