断虫亭日乗

過ぎ去る日々の思い出をつづるだけ

昨晩は寝つきが悪く、「W. H. Godwald: Army ants」を布団のなかで遅くまで読んでいた。自分にとっては少し読みにくい英語で、時折辞書の力を借りる必要があった。ヒメサスライアリAenictusの勉強をしようと思ったのだが、アフリカのサスライアリDorylusと南米のグンタイアリ類Ecitonini中心の記述で、東南アジアのヒメサスライアリの生態がいかによくわかっていないかを知る。写真は東南アジアでは数少ないサスライアリの一種Dorylus laevigatus

朝9時半に新大久保駅に着き、改札を出ようとしたときのこと。中年のおばさんが若い女性の背中にぴったりとくっつき、切符を入れずに改札を出るのを目撃した。もちろん機械もそれほどバカではないので、出たあとに「キップを入れてください」の表示を出して、改札を閉じた。やっぱりバカか。すごいおばさんがいるもんだなぁ、と思って振り返ると、全く悪びれる様子もなく、改札のすぐ外で通りすがりの青年に道を尋ねていた。流暢な日本語ではあったが、明らかに中国人の女性だった。すごくわかり易い場所を尋ねていたので、おそらく初めて新大久保に来たのであろう。初めての場所でこのようなことをするとは、かなり常習的な臭いがした。悪びれない中年女性に親切な青年という違和感に、朝から面白いものを見た気がした。

今日は科博でオープンラボだった。12時から16時までで、私は14時から16時まで甲虫の解説をすることになっていた。小雨模様でかなり寒いので、人が集まるかどうか心配だったが、それは杞憂に終わった。人気はクジラの解体ショーで、今日は2頭のカズハゴンドウ(先日、房総の九十九里浜に大量上陸したもの)が俎板に乗った。血生臭いなか、子供たちを含めて、皆さん真剣に様子を見ていた。昆虫も安定した人気で、ここ数年のカードゲームのブームの影響で、クワガタやカブトムシに興味津々の子供がたくさん来ていた。ブームの影響とはいえ、子供が昆虫に興奮する様子は見ていて嬉しい。また、真剣に虫に興味のある少年少女も何人も来ていて、将来が楽しみだった。虫だけとは言わないので、野生生物に対する関心をいつまでも持ち続けて欲しいものだ。

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