断虫亭日乗

過ぎ去る日々の思い出をつづるだけ

8時起床。昼前に科博へ出向く。このところ行き帰りの電車でパソコンを使って作業をすることが多い。ここ1週間は1か月後に控えた動物分類学会のパワーポイントを作っている。片道の30分は短く、ようやく先が見えてきたところ。電車のなかで虫の写真を出すのは恥ずかしいので、写真は最後にまとめて貼る予定。先日は小学生の女の子が思い切り覗き込んでいた。

その発表に関連する標本の解剖をした。ハネカクシの腹部の先端節を切り離し、それをKOHで処理、乳酸と酢酸フクシンで染色という作業をするが、なにしろ体長2mm弱の虫なので、なかなか大変。受精嚢など針の先の幅と同じ大きさなので、ピンセットでつまむのに往生する。7頭の解剖が精一杯だった。

久しぶりの絵描きもした。書いているうちに、どうもインクの出が悪いので、ロトリングを洗った。超音波洗浄器を使うが、最初に細かく分解しないと、部品が金属疲労で折れてしまうことを知った。先日に引き続き今日も一つダメにして学んだ。1本3000円近くするので痛い。

今日は昼食と夜食ともにカップラーメン。研究が乗っていると、あまり食欲がでない。

また、数日前に上手く行かなかった乾燥標本から抽出したDNAのPCRをした。前回は非常に薄いバンドが出たが、たぶんシーケンスはダメだろう。苦肉の策として、DNAの量を2倍、3倍、4倍のものを作り、さらに塩化マグネシウムを足した同じセットも作ってみた。明日が楽しみだ。もう鋳型DNAがなくなった…。

最近は同室の小笠原さんが頑張っている。横に頑張っている人がいると、こちらも頑張りたくなる。8年前の北大昆虫体系を思い出した。教室に10人程度の先輩がいたが、みなさん頑張っていて、朝から夜までキーボードを打つ音と本のページをめくる音しか聞こえなかった。昼の3時にみんなでお茶を飲むとき、そして夜に飲みに行くときにだけ会話があった。最初は息苦しくも感じたが、優秀な先輩の刺激も多く、今思えば最高の環境だった。

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