断虫亭日乗

過ぎ去る日々の思い出をつづるだけ

8時半に朝食。Mee Goreng(焼きそば)を食べる。今日はRosliさんが昼にKLへお帰りで、午前中は周辺のハラボソバチ類(Stenogaster, Parastenogaster, Eustenogaster)の巣を車で探すというので、小松君とともに同乗させてもらう。ここ数年環境が変わったとのことで、なかなか巣が見つからない。こちらは、停車した所々で他の虫を探す。感激したのはアリグモで、トゲアリの仲間に見事に擬態している。また、土壁にジョウゴグモの大きな巣穴が空いており、掘り出すと巨大なクモが現れた。棒でつつくと立ち上がって威嚇し、恐ろしげな牙をこちらに向ける。

他のみんなは周辺のトレイルへ散らばり、片山君を除いて昼に食堂に集合し、Rosliさんとともに昼食をとった。片山君はウィンクラー装置にかける土壌を採集に行っており、彼を待つ間、部屋で原稿書きを進める。14時過ぎにようやく帰ってきたので、昼食に付き合う。

その後、Bishop trailを散策し、アリ寄せのヤシ油を数ヶ所にばらまきつつ、ヒメサスライアリを探す。途中、少し日のあたる場所で、いかにもアリグモのいそうな場所を発見。予想通り、まとめて6頭も採集できた。1つはシリアゲアリにそっくりで、腹部が三角形であるばかりか、お尻を持ち上げる動作まで似ている。一方、その種の成熟雄はあまりシリアゲアリには似ていない。

夕食後にライトトラップ。風が強く満月がうっすら見えており、状況は良くないが、とりあえず宿から徒歩10分程度の場所へ設置した。その足でヒメサスライアリを探しに行くが、見つからず。ヤシ油には大量のヨコヅナアリPheidologeton diversusが来ており、これは期待通りだった。

写真:トゲアリそっくりのアリグモ。