断虫亭日乗

過ぎ去る日々の思い出をつづるだけ

8時過ぎに皆起きだし、ラーメンの朝食。朝から笑いがたえない。今日は細石君がMaschwitz Valleyに行くというので、付いていくことにする。Maschwitz Valleyというのは、ドイツのアリの大家Urich Maschwitz氏の調査地であったことに由来するそうで、香川の伊藤さんにお聞きした。こちらは3年ぶりである。

宿舎から4kmほど下った採石場のそばにあり、少し遠いので、管理人の方に車で送ってもらう。久しぶりの道は荒れ果てていて、かなり歩きにくくなっていた。目的はキオビシリアゲアリCrematogaster inflataハネカクシDrusilla inflataeの生態写真だったが、その巣は跡形もなかった。歩みを進めると、少し開けた場所に出て、そこに倒木が多数あり、マンマルコガネや色とりどりのゴミムシダマシ、そして多数のハネカクシが採集できた。片山君の研究しているヒメキノコハネカクシSepedophilus spp.も少し採れた。帰りはトラックをヒッチハイクした。

午後になって、スコールが降り出した。Maschwitz Valleyでテントウムシをみかけたので、小林さん教えたのだが、小林さんはその場所へ向かってしまった。1時間後、濡れ鼠になった小林さんが戻ってきた。ものすごい大雨だが、急に涼しくなり、雨音や雨の匂いは心地よかった。雨は2時間ほど続き、今日の午後は片山君とFITを仕掛ける予定だったが、明日に延期とする。

宿舎の人に野菜の買い物をお願いし、今日の夕飯は藤原さんがカリフラワーとチンゲンサイオイスターソース炒めをつくり、私はトマトとキュウリとツナの炒め物をつくった。米は3合ほど炊いたが、少し物足りなかったようだ。

夜はライトトラップとその他に別れ、藤原さんと小松君と私はアリを探しにいった。今日の昼間に二人でヒメサスライアリの捕食行軍を見つけたそうで、その場所へまずいく。スジヒメサスライアリAenictus dentatusだった。これには多種のハネカクシが共生している。明日改めて野営地を探しに行くことにした。楽しみだ。また、片山君がオニミツギリゾウムシを採集した木には、予想通りオオアリの巣があった。これも明日の昼間にじっくりと見てみたい。

大雨の影響で、今日は湿度が非常に高く、雲が厚く、風もない。つまりライトには良い条件だ。やっぱりライトには虫が良く来ていた。

写真:ライトトラップの様子。