断虫亭日乗

過ぎ去る日々の思い出をつづるだけ

9時起床。朝から天気が良い。昨夜の雨は明け方まで続いた模様。午前中はヒメサスライアリを探して林内を歩き回るが、見つからず。モトサスライアリのトラップを見るも、来ておらず。小松君がハナナガアリの一種Probolomyrmex sp.の巣を見つけたようで、興奮している。その場所へ行き、私も1頭採集させてもらった。

食料が底をついたので、警備員のお兄さんに25RM分のラーメンと野菜をお願いする。小さなタマネギ、トウガラシ、カリフラワー、キャベツ、トマト、ニンジン、ニンニク、キュウリなど、いろいろ買ってきてくれた。

昼食後に採集に出かけようとしたら、再び雨が降り出した。勘弁して欲しい…。

日ごろの行いが良いため、雨は14時頃にやんだ。ヒメサスライアリを求めて林へ。午前中に歩かなかった場所やトレイルのない場所を歩く。歩いたことのない場所は楽しく、いろいろと目新しい虫が目に付き、思わぬところに大木がそびえ立って驚くこともしばしば。

河の対岸に良さそうな林床が見えたので、最後の悪あがきで18時過ぎに橋を渡って林へ入る。大木が倒れていて、そのギャップにオオバギMacarangaの実生がたくさん生えていた。高さ10センチ程度ですでに全部アリが入っている。その上にMacaranga hypoleucaの葉が見えたので、この木の実生だろうか。成木は葉の裏が白くて特徴的だが、実生を見たことがない。ヒメサスライアリの収穫はなし。この場所はヒルが多く、帰ると10匹以上が服の上や長靴の中にいた。そういえば今回はどこにもヒルが多く、みんな3回から20回は噛まれていた。

食後にお茶を飲んでいたら、Rosliさんが来て、ドリアンを差し入れてくださった。ありがたくいただく。癖のない品種だそうで、食べやすかった。

21時過ぎにRosliさんと林のなかへ入る。そこへちょうど小松君が来て、ヒメサスライアリを見つけたという。行ってみると、小型で腹部の黄色い特徴的なヒメサスライアリがたくさん落ち葉の下にいる。早速そこを小松君が篩うと、見たことのないハネカクシが落ちてきた。それにしても、こういう珍しいヒメサスライアリにも必ず固有のハネカクシがいることには驚かされる。アジアのヒメサスライアリを全部調べたら、きっと相当な種数のハネカクシが見つかるであろう。

今日は最後の最後に良い収穫があった。小松君には頭が上がらない。1時半に就寝。

写真:ヒメサスライアリと仲良く一緒に走るハネカクシ

*今日(20日)改めて調べたら、Malaybergius aenictophilaという種で、Ulu Gombakをタイプ産地とする種だった。明らかにLomechusini族のものだが、KistnerによってSahlbergini族という全然違う族に置かれていたので、全くの予想外だった・・・。