断虫亭日乗

過ぎ去る日々の思い出をつづるだけ

そういえば、先月末でこのブログが1周年だった。過去を振り返ると短い日記が多い。だんだん長くなっている。いいのか悪いのか。

今日は科博でハネカクシ談話会の例会。まずは11時から幹事会。同会は今年で10周年なので、記念イベントをやろうという案が出た。具体的には「ハネカクシのハンドブック」であるが、幹事間で内容に関する総意が得られなかったので、実現はもう少し先になりそうだ。極めて有用は本になるに違いないし、始まったらすぐに出来そうな企画ではある。

13時より例会が始まった。部屋へ行くと20人近くが集まっていてびっくり。農大の島田君、私、農大の福沢君、東大の池田君、野村さん、直海さんの順に講演があり、17時過ぎにようやく終わった。そのまま懇親会へ突入することになり、新大久保の中の濱へ行く。気が付いたら22時近くなっていた。長時間、よく盛り上がった。

今日の写真はアリグモ。トゲアリに似たクモは多いが、同時にツムギアリに似たクモもいるし、Myrmicariaという日本には産しないフタフシアリ亜科のアリに似たクモもいた。どれも目立つアリである。他にも目立つアリがおり、その一つにハリアリの仲間がある。林床に黒く動く影を見ていくと、たいていがフトハリアリ属Pachycondyla s. lat.(?)やハシリハリアリ属Leptogenysのアリである。どちらも毒針があり、捕食動物に嫌われるからか、比較的目立つところを歩いている。いろいろなアリに似たアリグモを見つけるにつれ、なんでハリアリに似たものがいないのか不思議だった。しかし、やっぱりいた。歩道を横切る黒い影があり、いつものようにハリアリだと思って目をやると、なんとアリグモ*ではないか。しかも1cmくらいある大きさで、よく見かけるハシリハリアリの大きさや色ツヤに良く似ている。地面を堂々と歩くものアリグモとしては珍しいように思う。擬態というのは人間の推察に過ぎない例が多い(検証された例が少ない)が、これを偶然と言ってしまってよいだろうか。しかし、このような珍しい種でそれを検証する手立ては少ない。

寝ようと思ったらSteiner夫妻からメール:”we have just stopped the first MCMC analysis after 2.6 Mio (and 3 days of calcluating), because the std of the split frequencies did not get lower than 2.7%. Have now obtained the corresponding tree, but it is awful.” bmcmcを走らせてもらっているのだが、なかなか落ち着かないとのこと…。申し訳ないっす。そういえば今日、池田君がアライメントなしでやってみると良い結果になることがある(gapを第5の情報とする)と言っていたが、初めて聞いた。明日、試しにbmcmcでやってみよう。たしかにgapを削るとき、OTUを増やすと、大事な情報がなくなってしまうこともある。しかし…。

*アリグモとは別のハエトリグモかもしれません。

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