断虫亭日乗

過ぎ去る日々の思い出をつづるだけ

例によって今更ながら少し前の論文を読んでみた。春にScienceに出たアリの大系統の論文。
http://www.oeb.harvard.edu/faculty/pierce/people/saux/saux.html(から行ける)
Corrie S. Moreau, Charles D. Bell, Roger Vila, S. Bruce Archibald, Naomi E. Pierce
Phylogeny of the Ants: Diversification in the Age of Angiosperms

最初にびっくりするのは、よく材料を集めたものだということ。Aenictogitoninae亜科以外、アリの20亜科のうち、19亜科が網羅されている。ちなみにAenictogitoninae亜科はアフリカのコンゴ盆地に固有で、雄だけが知られる変な亜科。この系統的位置は誰もが気にしているところで、もしこれが採れ、DNA系統解析に使えれば、すぐに論文になるだろう。

各亜科の単系統性は一部を除いて強く支持されているが、一番重要な(一番みんなが知りたい)亜科間の系統関係はあまり信頼に足らない。しかし、議論こそされていないものの、亜科内の属間の系統は解像度の高いものが多く、「やられた!」と思った研究者は多いはず(日本人にも思い当たる。北の人)。私が余興でシーケンスを読んでいるFormicinaeはだいたい思ったとおりで、また、現在の族の体系とはかなりの食い違いが見られる(Lasiniなど)。
http://tolweb.org/Formicinae