断虫亭日乗

過ぎ去る日々の思い出をつづるだけ

今日は小学生対象の昆虫教室があり、その講師として国分寺市に赴いた。朝9時半に市の公民館に着く。急遽、時間つぶしで昆虫に関する講演をすることになった。念のためにパソコンを持ってきていたが、何も資料を作っていなかったので、急いでパワーポイントを作る。

10時に子供たち25名くらいとその親御さん20名くらい(4年生以下のみ保護者同伴)が集まるが、子供たちの大半が低学年だったのには驚いた。この教室は2回にわたって開かれる予定で、今日はカブトムシやクワガタを採集するトラップの作成を行い、山に設置しにいくことになった。そして、来週の次回にそれを回収というわけである。トラップ作成の説明をするが、低学年にわかるように話すのには気を遣うものだと思った。ペットボトルでセル瓶のようなものを作るわけだが、ナイフでペットボトルを切るときの子供たちの動作が危なっかしく、保護者のいない子供の分を切ってあげたり、不器用なお母さんのを作ってあげたりした。。

その後、昼食まで昆虫に関する講演をし、昆虫に関するいろいろな質問を受ける。蝶と蛾のちがいとか、クワガタの飼いかたなど。昼食は焼きそばとジャーマンポテトで、とても美味しかった。

昼食後、近くの山に行く。国分寺市に立派な里山が残っているとは知らなかった。いかにもカブトムシなどがいそうだ。クツワムシの幼虫もいたし、ゴマダラチョウも普通にいた。各自トラップを設置しているあいだ、私はオサムシ用のピットフォールトラップを仕掛ける。14時前に現地解散し、私は公民館に戻って荷物をとったあとに帰ることにした。なんとか天気がもってよかった。

公民館へは国分寺市の南口から出ている100円の循環バスを使うのだが、帰りもそれに乗る。駅に近づくと、車窓から良さそうな林が見える。殿ヶ谷戸庭園というらしい。バスを降り、庭園に行ってみる。
http://www.tokyo-park.or.jp/park/format/outline036.html

クサアリを探して歩き回るも残念ながら見つからなかったが、これから結婚飛行が始まりそうなアメイロケアリ亜属Chtoholasiusの巣を見つけたのはよかった。地中性のアリだが、羽アリを送り出すための地上への通路をこの時期に作る。約10メートル四方にわたって点々と小さな土盛りが出来ていて、アリが一所懸命に土を運び出している。しかしクロヤマアリに攻撃されている穴もあった。アメイロケアリは日中に地上に出ることがほとんどないので、クロヤマアリには免疫がないのかもしれない。雌アリを採集したかったが、ようやく穴から顔を出している雄アリが採集できたのみだった。来週行くときにもう一度見てみよう。

庭園には池があり、覗いてみるとなんとオオアメンボがいた。久しぶりに見た。たしかに暗い水面の程よい大きさの池で、オオアメンボの生息には好適なのだろう。

その後、ヒメキイロケアリLasius (Cautolasius) talpaと変なトビイロケアリなども採集でき、15時過ぎに駅に戻って電車に乗った。

夕方、科博へ行き、月曜からの出張の準備をした。また、つくばで採集したクサアリを解剖する。解剖しているうちに19時過ぎになってしまった。先ほどのアメイロケアリ亜属のアリを見てみると、ただのアメイロケアリL. umbratusのように見えた。雌で確認したかった。

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