断虫亭日乗

過ぎ去る日々の思い出をつづるだけ

久しぶりにマイクロサテライトの実験。今日はChelexでDNA抽出をし、その濃度を測ってみた。まずは抽出方法(濱口さんに教わった)は以下のとおり。

  • 純水に5-6%のChelexを混ぜ、オートクレーブ。
  • 1.5mlチューブでクサアリの脚1本をすりつぶす。
  • 200μlのChelex溶液と4μlのProK溶液をチューブに入れる。
  • ボルテックスし、56℃で1昼夜。
  • ボルテックスし、95℃で10分。
  • 13000rpmで3分遠心。
  • 上澄み150μlを別のチューブに入れる。

それで、濃度を測ってみたが、なんと25-30ng/μlもあった。純度もそれほど悪くなかったし、マイクロサテライトには適度な濃度である。ついでにキアゲンのDNeasy Tissue Kitで抽出したものを測ってみたところ、蟻一匹すりつぶして、最初に40μlで落とし、2回目に60μlで落としたもの、それぞれにおいて約60ng/μlだった。効率もよくないし、純度はChelexと同様だった。そしてなによりもカラムに多くのDNAが付着したまま捨ててしまっていたことがわかった。ちなみに最近、科博で1μlで濃度が測れる高感度で簡単な分光吸光光度計を買ったので、今までマジメに測ったことがないのに測ってみた。とにかく、Chelexはカラムを通さない分、非常に抽出効率がよいということを実感した。「1細胞からも取れる」を売りにしているだけのことはある。

問題点として保存性の低さが挙げられているが、今回のように非常に少ない組織を用い、上澄みを別保存するならば、ほとんど問題はないように思える。実際、1年以上前に抽出した鋳型を全く問題なく使用している人もいる。もちろん、もう少し自分でも試してみたいとは思っている。

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