断虫亭日乗

過ぎ去る日々の思い出をつづるだけ

今日も科博へ。校正は完璧に直そうと思ったらキリがないので、ここいらでやめることにした。同時に亀沢さんに原稿を見てもらっていた。今日は、それを受けとるため、セスジムシの標本の検鏡ついでに科博に来ていただいた。いつもながら的確な御指導で助かる。

常識なのかもしれないが、ここ数年でゾッとする事実に気付いた。それは、忙しいとバカになるということである。「忙殺」というが、忙しさはいろいろなものを殺してしまうようだ。一番わかりやすいのは記憶力である。忙しさに振り回わされ、頭を酷使していると、新しい記憶の入る余地がその分減ってしまう気がする。いや、たぶん間違いない。「最近、記憶力が悪くて」という言葉を聞く機会は極めて多いが、そういう人は総じて多忙である。記憶力というのは研究の要であるから、その減退は重大な問題である。忙しくしてどんどんと仕事をこなすのは良いことであるが、その裏にはトレードオフがあるに違いないと思う。とくに30過ぎてからは。

夕方から亀沢さんと新大久保駅前の蕎麦屋「近江屋」へ。穴子の白焼き、穴子の南蛮漬け、板わさ、揚げナス、京ニシン、いろいろとつまみつつ、ごく軽く飲んだ。最後はせいろ。老舗だけあって、どれも本当に美味しい。