断虫亭日乗

過ぎ去る日々の思い出をつづるだけ

秋らしくなったと思ったら、今日は再び夏に戻った。少し嬉しい。夕方のアオマツムシの騒々しさは半端ではなかった。縄張りからはずれた個体か、ツツジの低い場所で鳴いているものもいる。耳を澄ませばカンタンやカネタタキも聞こえるが、やっぱりアオマツムシは他の虫の声を殺してしまう。

ケアリ属の系統樹、ようやく「美しい」それなりのものが完成。個人的には体系学的な情報も詰め込んで、Zool. J. Lin. Soc.や憧れのSyst. Entomol.あたりに出したいのだが、共同研究者のSteiner夫妻いわくMol. Phylogenet. Evol.に十分だせるのに、わざわざランクが低くて、小難しい雑誌に出すことはないとの説得を受けた。5年かけて集めた材料とその成果はそれなりのものだと思うので、小手先で系統樹を論文にするよりも、自分にしかできない(少なくとも実験屋には難しい)かっこよい論文にしたい。材料集めと実験のあいまに副次的な情報もかなり集まっているので、それをどう使うか、難しい問題だ。