断虫亭日乗

過ぎ去る日々の思い出をつづるだけ

昨晩はアニマルプラネットのBleu PlanetシリーズのThe Deepを見た。深海の特集である。前から見たいと思っていたので、朝の予告を見ていつもより早めに帰宅した。期待通りの面白さで、チョウチンアンコウが発光しながら泳ぐ様子や、アンコウのオスがメスに吸い付く様子は圧巻だった。

寝る前にWasmann(1913)の「The ants and their guests」を読む。1910年にブリュッセルで開かれた第1回国際昆虫会議の論文集に「Die Ameisen und ihre Gaeste」という論文があり、これはその英語版である。アリのカースト分化から、社会寄生、好蟻性までが簡潔にまとまめられたアリ学の入門的総説で、とくにヨーロッパのアリを例とした社会寄生の進化に関する考察は、非常に具体的で示唆に富む。ちょうどその1年前、有名なEmery's ruleのもとになった社会寄生に関する総説をEmeryが書いた時代であり(Wasmannも引用している)、熱かった時代があったのだなぁと、当たり前のことながら感銘を受けてしまう。社会寄生アリの進化の総説は「The Ants」の一節が最も立派で、何度も読んだ。しかし、そこで改めて100年前の論文を読んで、再び得るものがあるというのも不思議だ。

写真は借り物のホットプレート。上の坩堝で標本を薬品処理する。これを借りてなるほどと思った。北大時代から大きな恒温器を使っていたが、これでよいではないか。

ふしぎの国アメリカ↓
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