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アマゾンで「この商品を買った人はこんな商品も買っています」で釣られて買ってしまった。とても面白かった。サンカとは川魚漁と亀漁を生業とし、冬は蓑や箒、竹製品を作り、非定住生活を送っていた人たちのこと。それで、本にいくつかの生物名が出てくるのだが、カメの種類は「ドロガメ、イシガメ、スッポン」となっていた。消去法でいくと、「ドロガメ」はクサガメを指すが、これがいちばんおいしかったそうだ。興味深かったのは、最後に出てくる川漁師の話で、昔のスッポンは腹が赤かったが、いつからか他所から別のスッポンが入ってきて、もともといたものがいなくなってしまったという話だった。クサガメとともにスッポンは史前帰化種という説があるが、少なくともちょっと昔の日本には今とは違う別のスッポンがいたようだ。古くにヨーロッパ人が日本から持ち帰ったスッポンの標本と今日本にいるスッポンを比べると、何か違いがあるかもしれない。
- 作者: 沖浦和光
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2004/11
- メディア: 文庫
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