断虫亭日乗

過ぎ去る日々の思い出をつづるだけ

初めて電顕を使わせていただく。Zeissの新しい大型器で、たくさんの機能がついているが、それでいて扱いやすいものだった。画像も高解像度で、かなり引き伸ばしても問題なさそうなくらい。来週の火曜に本番開始。それにしてもZeissの電顕は知らなかった。

今日は電顕技師の方にいろいろ教えていただいたのだが、標本を貼り付けるコクヨひっつきシートが大変好評で、こんなに背景がきれいな標本は見たことがないとのことだった。糊や両面テープを使っている人にはいつも勧めている。

参考:菅谷 洋(2003)走査型電子顕微鏡と画像編集ソフトを用いた甲虫の分類学的研究法. 昆虫と自然38(4):33-37

シャーレがようやく届く。これでより細かな解剖が始められる。合計3つの会社に頼んだのだが、あとはピペットとキシレンとセロソルブ。薬品類は蟻の電顕撮影の準備、セロソルブ-キシレン法に使う。雄蟻やミツバアリのような軟弱な蟻はふつうに乾燥させるとペコペコにへこんでしまうが、セロソルブ-キシレン法ならかなりふっくらとした標本が仕上がる。本当は真空乾燥機のほうが良いのだが、似たような効果が得られる。

セロソルブ-キシレン法については以下の「3.2」に親切に解説してある。小型の蟻なら、セロソルブに3時間、キシレンに1時間といったところか。長すぎると唐揚げになってしまう。
http://www.ars.usda.gov/Main/site_main.htm?docid=10141&page=8

© The Field Museum, GN90669_12d