断虫亭日乗

過ぎ去る日々の思い出をつづるだけ

再びノミバエだが、蓄積した材料をこんどDisney氏に見ていただくことになった。写真は3年前にマレーシアでサスライアリから採集したもの。

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ノミバエといえば、1995年前のNatureに出た論文は衝撃である。好蟻性で脚のないノミバエの発見。場所はマレーシアのUlu Gombak。最初はハエだとわからずにKistner氏とこちらのNewton氏に送ったと書かれている。その後にDisney氏に送ってノミバエだとわかったとのこと。Weissflog氏はヒメサスライアリAenictusやハシリハリアリLeptogenysなどの放浪性のアリをずっと調査しており、Aenictusの一種の巣をまるごど採集した折にこの虫を見つけたと書かれている。この種は1996年にDisney氏単著でVestigipoda myrmolarvoideaという名で記載されている。

Nature 378, 137(09 November 1995)
A fly's ultimate con
A. Weissflog, U. Maschwitz, R. H. L. Disney & K. Rociszewski

同属の種がその後にも発見、記載されている。ケブカヒメサスライアリAenictus gracilisの野営から。

Journal of Zoology (1998), 246: 269-274
A second species of legless scuttle fly (Diptera: Phoridae) associated with ants (Hymenoptera: Formicidae)
R. H. L. Disney, A. Weissflog and U. Maschwitz

わたしもいつか無脚の甲虫が見つからないかと夢見ている。それは厳しいか・・・。