断虫亭日乗

過ぎ去る日々の思い出をつづるだけ

昨日の帰りは寒さで引き返そうと思った。シカゴは風が強く、風は寒さを増長させる。そして、ただの気温よりも体感温度が重視される。昨日の気温は-20℃くらいだったが、体感気温は-30℃くらいだった。今朝は風なかったので、気温こそ昨夜と変わらなかったが、寒さはかなり少なかった。

今日は雪。気温が低いのでサラサラと大きな結晶が降っている。ミシガン湖やシカゴ川も結氷した。それにしても、部屋が寒くて困る。暖房は最強なののだが、手がかじかむ。こちらの人は平気な顔をしているが、やっぱりアメリカ人は肉を食べているので、寒さに強いように思う。

岐阜大の山内克典先生が退官だそうで、記念講演が開かれる。山内先生はケアリの分類と生態で学位を取られたので、ご高著は重要な引用文献として一通り読ませていただいた。北大理学部の動物で坂上昭一先生の指導を受けられているだけあって、生態学にバランスよく分類を取り入れた研究をされていたように思う。お世話になっている木野村先生の学部時代の指導教官でもある。
http://www.japanese-ants.org/

ロシア人のVasily V. Grebennikovさんがこちらに来ている。カナダの農務省の昆虫分類研に職を得たようだ。すごい!農業に縁もゆかりもない甲虫の分類をさせるカナダの農務省もすごい。

とある分類群で研究内容のほとんど同じ記載論文が、別の著者によって、別の雑誌に投稿されたという話しを聞く。この時代に極めて非生産的。自分が現在どのような研究をしているか、できるだけ具体的に周辺分野の研究者に流布するのは重要な作業だと思う。そういう作業の場としてはHPが有効であり、やはり研究者はHPを持っていないといけないと思う。私の場合は3人が同時進行ということがあったが、その時には話し合いで解決した。

こういった問題に関して、命名規約でも一つの具体的な倫理規定を掲げている(ある人があるものを新種として認識していることを知っている場合)。
Code of Ethics