断虫亭日乗

過ぎ去る日々の思い出をつづるだけ

林さんから。同定者として手前味噌ながらオススメは最後の海岸性甲虫。未記載種を含め、図鑑に出ていないものがたくさん図示されている。このように同じ拡大率の図版は大きさの印象を掴むのに役に立つ。底質や塩分濃度に関連した考察も非常に面白く、日本の海岸性昆虫では過去に研究例がない。もう一つ特筆すべきは調査の精度の高さ。つまり想定できる生息種を完全に網羅している。やはり林さんは上手い。打ち上げられた海藻のなかにある甲虫群集でも、単純に海藻をソーティングすれば網羅的に採れるというわけではなく、海藻の質を見極める目はもちろん、海藻を拾い方や拾うときの眼の配り方によっても成果が大きく変わってくる。

林 成多(2007)島根県産水生甲虫の分布と生態.ホシザキグリーン財団研究報告, (10): 77-113.
(PDF: 5.1MB) http://www.green-f.or.jp/heya/hayashi/no10pdf/suiseikoutu.PDF

林 成多・門脇久志(2007)鳥取県大山山麓の河川に生息する水生甲虫類.ホシザキグリーン財団研究報告, (10): 149-168.
(PDF: 2.3MB) http://www.green-f.or.jp/heya/hayashi/no10pdf/daisen.PDF

河上康子・林 成多(2007)日本海沿岸の海岸性甲虫類の研究 (1) 新潟市五十嵐浜.ホシザキグリーン財団研究報告, (10).25-35.
(PDF: 3.3MB) http://www.green-f.or.jp/heya/hayashi/no10pdf/ikarasihama.PDF

河上康子・林 成多(2007)日本海沿岸の海岸性甲虫類の研究 (2) 島根半島.ホシザキグリーン財団研究報告, (10).37-76.
(PDF: 9.5MB) http://www.green-f.or.jp/heya/hayashi/no10pdf/shimanehanto.PDF