断虫亭日乗

過ぎ去る日々の思い出をつづるだけ

8時起床。朝から晴天。サスライアリのトラップを見に行くが、集まり具合は今ひとつ。半分はヨコヅナアリに置き換わってしまっていた。その後、川沿いに林内を歩き、ヒメサスライアリを探しつつ、虫の写真を撮る。一昨日からの恵みの雨のおかげで、どこにもとても虫が多い。また、樹上性のアカガエルの一種Rana choconotaを見かけた。

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滝の先で新たなAenictus laevicepsの行列を見つけた。しかも移動している。早速、地面に寝そべって行列を眺めることにする。ちなみに、地上が湿っているときに地面に寝そべると服に水が染みこむので、車の足元に敷く透明なマットを持ち歩いている。体重のかかる場所へ敷くと、気分よく地面に寝そべることができる。

早速、アリに咥えられたMimaenitus wilsoniが現れた。アリは触角の基部を咥え、ハネカクシの胴体はアリの体下へ収まる。アリは容易に歩ける落ち葉の段差や垂直な壁も、ハネカクシにとっては越えられないので、アリに運んでもらう必要がある。ハネカクシの触角の基部(第1節)は太くなっているが、これはアリに咥えられやすく、さらに咥えられることによる破損を防ぐためであろう。

移動先の野営地は倒れた竹で、隙間に行列が続いていた。しばらくすると、なにやらMimaenitus wilsoniとは違うハネカクシが咥えられているのを見つけた。これは今回のもう一つの目的であるProcantonnetia malayensisに違いないと思ったが、ぬか喜びでは悲しいので、冷静に採集を続ける。ハネカクシは次々に現れ、行列が薄く途切れ始めたとき、つまり移動も終わりに差し掛かったときに、突然の雷鳴と土砂降りとなる。傘をさし、カメラを抱え、急いで宿舎へと戻る。意外や一番乗りで、しばらくして鶴君と小松君も帰ってきた。

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早速、ハネカクシを吸虫管から取り出す。期待通り、もう一つのハネカクシProcantonnetia malayensisだった。思わず喜びの声を上げてしまった。これで今回の目的の大部分は果たすことができた。

その後も雨はやまず、分子用標本のアルコール交換などをして過ごす。20時ごろ、机の上にヒメサスライアリの雄が2頭飛来した。寒いと思ったら気温は22℃だった。