断虫亭日乗

過ぎ去る日々の思い出をつづるだけ

昨晩の疲れが取れず、9時近くに起床。久々の雲ひとつない晴れ間。洗濯をして外へ出る。今日もヒメサスライアリを探して動き回るが、日向の草木が萎れるほどの暑さに参ってしまう。

昼過ぎに戻ると洗濯物はすでに乾いていた。ひとやすみして再び森へでかける。結局、新しいヒメサスライアリは見つからなかった。

15時過ぎに昨日のAenictus laevicepsを見に行く。ちょうど移動が始まったところで、地面に寝転がって観察を始める。もうハネカクシはあらかた採り尽くしてしまったのか、17時過ぎまで見ていたが、合計6頭のみ。ノミバエを含め、GC解析用に保存する。

夕食前、守衛室に住み着いている雌犬がネズミの死体を食べているのを見る。栄養が足りないのだろう。米を多めに炊いて与えた。

夕方、虫の多く集まるトイレの電灯の下に水を入れたフルーツパックを並べた。目的はヒメサスライアリの雄。つきっきりでないと先にアシナガキアリに取られてしまうが、常に電灯の前に陣取っているわけにはいかない。ヒメサスライアリの雄は日没直後に光に集まる傾向にあるようで、すぐに数頭の雄が得られた。

20時過ぎに小松君が走ってきた。新しいヒメサスライアリを見つけたという。早速駆けつけ、野営を篩う。女王は採れたが、ハネカクシは見つからず。80箇所以上を刺された。小型種ながら毒が強く、1頭が小さなハナバチ程度に痛む。

今回はアリの幼虫の採集も目的の一つで、幼虫を抱えた働きアリを100頭ほど採集した。宿舎へ持ち帰り、幼虫を新しいアルコールに移している時、思わぬ光景に目を疑った。「A fly’s ultimate con」としてNatureで1995年に発表された無翅無脚のノミバエVestigipodaがいるではないか。3番目の種である。急いで現場へ引き返し、幼虫をできるだけ採集し、持ち帰る。数時間にわたる仕分け作業の結果、5頭の標本を得ることができた。おまけにAenictobia属のハネカクシも1頭採れてしまった。ツヤヒメサスライアリにいるA. thoiに酷似しており、偶産かもしれない。

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最後に森へ出て行くが、ホソユビヤモリの一種Cyrtodactylus semenanjungensisを見たのみだった。ごく普通種だが、最近記載されたもの。それにしても、今日もよいものが採れた。

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