断虫亭日乗

過ぎ去る日々の思い出をつづるだけ

毎週恒例の採集へ。今日はインディアナのDune Parkである。暗くなってからホタルを採集して帰る予定なので、遅めの出発。12時の電車に乗り、13時過ぎにDune Park駅についた。そこから1時間弱歩き、目的の森へ到着。

今日は34℃の暑さで、虫の姿がほとんど目に付かない。Milk weedの花は終わりかけており、かろうじて咲いているところに先日と同じカミキリムシTetraopes tetrophthalmusが来ていた。その他、Strangalia virilisS. famelicaというハナカミキリに、Chauliognathusというジョウカイボンが得られたのは収穫だった。今日の目的の一つは名古屋大へ送るジョウカイボンとホタルである。

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湖岸へ着いておにぎりを食べていたら、足元にきれいなミズギワゴミムシTetragonoderus fasciatusが見つかった。大理石のような模様で、白い砂地にいあると目立たない。

追記:ミズギワゴミムシではなく、アトキリゴミムシの仲間と大阪の伊藤さんにご教示いただきました。ありがとうございます。なんで間違えたかというと、古いリストでミズギワゴミムシに置かれていたからです。

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葉の上に甲虫を探すも、暑さのためほとんど目に付かない。よく見ると葉の裏に張り付いているが、とても見つけにくい。わずかばかりのホタルやジョウカイボン、コメツキムシを見つけるのにとても苦労した。

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そんななか、うれしかったのがこのナガヒラタムシTenomerga cinereusである。ナガヒラタムシ亜目という甲虫のなかでは原始的な形質状態を最も多く持つ仲間に属する。いかにも「原始的」という雰囲気が漂うではないか。日本では模様つきのナガヒラタムシは珍品なのでうれしい。

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森は乾いており、キノコは少ない。一つだけ大きなキノコが見つかり、多数のマルクビハネカクシTachinus fimbriatusがいた。日本のマルクビハネカクシの仲間はあまりキノコでは見つからないので、不思議な感じがした。

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さらに、倒木の上にホコリタケの若いキノコが見つかった。よく見ると小さな甲虫が。写真を見て確認したところ、ホコリタケシバンムシの一種Caenocara sp.とわかった。2mm足らずの甲虫だが、触角にしっかりと寄生性ダニがついている。

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18時を過ぎ、トレイルの入り口の広場で時間をつぶしていたら、Milk weedにオオカバマダラDanaus plexippusが飛来した。こういう機会はなかなかない。

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また、Milk weedのまわりの砂地に2種のハンミョウが見つかった。上の黒いほうCicindela punctulataはまばらに草の生えた荒地を、下の模様があるほうC. repandaは完全な砂地を好む様子だった。暑さのために元気がよく、どちらも撮影に苦労した。追い掛け回して疲れたところを撮るのだが、こちらが先に疲れてしまう。

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20時を過ぎると、まだまだ明るいものの、ホタルの光が目に付くようになった。そして、ホタルを眺めながら駅まで歩く。21時過ぎに駅に着いたころにようやく暗くなり、あたり一面にホタルの光を見ることができた。写真はPhitinus sp.の交尾。左がメス。

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今日の主目的はある好蟻性ハネカクシだったのだが、かすりもしなかった。次回に期待。