断虫亭日乗

過ぎ去る日々の思い出をつづるだけ

8時に起きて荷物を片付け、チェックアウトの後、フロントに預ける。朝食はチャーハンとニンニクの芽の炒め物など。朝から濃かった。朝食後、小松君はキャンパス内で1時間ほど採集し、見事、目的のアリヅカコオロギを射止めていた。乾燥地や荒地のアリに付く種で、ジャングルにはいないものである。昨日は狙って採れなかっただけに、喜びも一入である。

まずはシーヤム駅まで行き、昼食の後、小松君とルンビニ公園で別れる。昼食は中華料理店でラーメンのようなものを食べるが、食欲がなく残してしまった。片山君が無意識に400バーツ(1400円)もする料理を一人で注文し、会計時にびっくりする。冷静に考えるとそれほどびっくりすることではないが、現地では毎食25-30バーツ(90-105円)だった。

その後、片山君と一緒にバザールを見てまわる。2時半に小松君と公園の入り口で待ち合わせするが、こちらの帰りのタクシーがめちゃくちゃな渋滞に巻き込まれ、1時間も遅刻してしまう。最終的にはタクシーを途中で降りて電車に乗ったのだが、車窓からルンビニ公園をトボトボと歩く小松君を見つけたときには、心底申し訳なく思った。だいたい信号が30分も変わらないということがあってよいのだろうか。いつも思うのだが、バンコクの交通網はあらゆる点で完全に失策である。ルンビニ公園の採集は不発に終わったが、公園中にミズオオトカゲがいたとのことだった。

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16時に大学でワタナさんと落ち合い、まずはワタナさんの研究室へ行き、甲虫の同定をする。その間、小松君は施設内で採集する。わずか30分間の採集は大成功で、もう一種、欲しかった荒地性のアリヅカコオロギが見つかった。

その後、早めの食事出かける。今晩はワタナさんの招待で、トムヤンクン、魚から揚げの魚醤かけ、グリーンカレーなどをいただく。さすがおいしい店をご存知である。ここでも小松君が「おいしい」と発し、魚を骨まで食べる小松君をワタナさんが感心して見ていた。小松君の魚を骨まで食べる習性は、映画「釣りバカ日誌1」の影響だそうだ。なんじゃそりゃ。

食後、再び片山君と町へ繰り出す。最後のバンコクの街の喧騒を楽しみ、ようやくお土産を決めた。

ホテルへ戻るためのタクシーに乗るが、タクシーの運転手が道を知らずに気づいたらかなり遠くまで来ていて、飛行機に乗り遅れないかと焦る。「わからんわからん」というので、「時間がないので誰かに道を聞いて!」というと、車を止め、ゆっくりと他のタクシーへ行き、ゆっくりと帰ってきて「OK」と言った。この到着初日とこの2日間でわかったことは、バンコクのタクシー運転手は大抵、全く地図が読めないこと。行動範囲が非常に狭く、地理に疎いこと。それでもとりあえず出発することである。こういうことを前提として行動しないほうが悪い。

なんとかギリギリにホテルに到着。荷造りし直し、急いでタクシーを拾い、小松+丸山、片山で2台に分乗する。こちらの運転手は空港と聞き、遠乗りのために大喜びし、途中少し渋滞にぶつかるものの、あとは飛ばすこと飛ばすこと。小松君と2人で相当にビビってしまった。2車線の決して広くない道路で2台並行する車の間に入って追い越すは、街中の道路で140km出すは(高速道路は160km)、いまどきの日本でやったら間違いなく逮捕されそうな運転だった。しかし上手い。おかげで通常1時間半のところを40分で着いてしまった。

のんびりとチェックイン。小松君が16kg、私が30kgで、2人で制限ちょうどの46kgだった。その後、普通に到着した片山君と合流。片山君も23kgで制限ちょうど。この制限は虫の調査には酷である。

パスポートチェックの後、少々の買い物。新しいタイの空港の広さに改めて驚く。店を見て流すだけで、軽く1時間はかかる。ゾウの置物を買い、最後に3人でお茶をし、23時過ぎに片山君とお別れし、搭乗口へ行く。

日本に台風が来ているそうで、出発と到着が遅れるとの放送。定刻では23時55分の離陸だったが、0時半を過ぎての離陸となる。機内は空いており、横になって眠るため、小松君は前の席で移動した。気体はゆれ、離陸後2時間でようやくベルト着用のサインが消え、トイレに行く。離陸時に「ぼくは基本的に機内では眠れません」と言っていた小松君は離陸と同時に背もたれを下げ(本当はやってはいけない)、熟睡している。