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小松君の観察眼の鋭さには驚かされることがしばしばだが、これはその一例。橋の下にホソユビヤモリの仲間Cyrtodactylus intermediusがいたそうだが、よくみると脇の下のあたりに小さなハエがついていた。なんとサシチョウバエの仲間だったという話。暗い中で生き物を探したり、撮影している間では、なかなか気付くことではない。ちなみに片山君が同種のヤモリを撮影していたが、それもちゃんとサシチョウバエがついていた。ロッジの壁にいるヤモリにもついていたので、意識すれば意外と見つかるものであることがわかった。しかし狙わずに見つけたのが小松君のすごいところ。
ところで今回の旅行で決めたことがある。しばらくニコンの一眼は持って行かず、Lumix FZ50だけを使うということ。Lumixを完璧なカメラとは思わないが、微小な虫の撮影の容易さと得られる写真の鮮明さ、深さは、コンデジである限り、どんな一眼でも及ばないと思う。CanonのマクロレンズMP65には憧れるが、1ミリくらいの虫をここまで深くは撮れないだろう。論文の図に使うには微妙な色合いやボケ具合などよりも、鮮明でわかる写真であることが大切である。
もちろん、その前に虫を見つける腕前と撮影のセンスが必要であることは言うまでもない。小松君いわく「最近このカメラを買っている人が多いですが、同じ写真を撮れると思われては困ります」。精進しなくては。