断虫亭日乗

過ぎ去る日々の思い出をつづるだけ

このところなにかと慌しく、思うように研究が進まない毎日だったが、少し落ち着いてきた。夜の読書は引き続き宮部みゆきにはまっており、昨晩は「今夜は眠れない」を読んで本当に眠れなくなった。

ロンドンやベルリンから何年もタイプ標本を借りっぱなしなので、まずはそれを返す準備を進めようと思っている。しかしどこから手をつけてよいやら・・・。出来かけの原稿もあるので、それらも終わらせないと気分が悪い。こういうのは優先順位が難しいが、まずはメンドクサイものを先にやったほうがいい。論文を書くにも、最初にメンドクサイこと(分類だったら絵描き)を済ませてしまうのがよい。

ところで論文をあまり書かない学生を見ていると、1つか2つの論文に集中して進めていることが多い。しかし、共著者に見せたり、実験を中断せざるをえなかったりして、論文というのは予定通りには進まないものと考えれば、同時に5つくらいは進めておかないと業績は稼げない。むろん忙しくはなるが、器用にやるにはそれなりに考えなくてはならない。そもそも就職したら仕事の片手間に論文を書くことになるのだから、それくらいのネタもなく、同時に進めることができなければ研究者になるのは難しいだろう。

就職といえば、九大の比較文化社会研究科の生物体系学研究室(実質的に昆虫系統分類の部屋)の助教が細谷さんに決まったようだ。おめでとうございます。8月末に公募締め切りで、11月採用とは早くて驚いた。昆虫系統分類の世界では、北大と九大の人事への注目はきわめて大きい。コガネムシ上科の分類というのはまだまだいい加減なので、クワガタ以外のコガネムシをやる院生が入れば面白いと思う。

http://www.rc.kyushu-u.ac.jp/%7eshima/3frame-top.html