断虫亭日乗

過ぎ去る日々の思い出をつづるだけ

先日、「OxyClean」というスプレー洗剤を買った。日本のテレフォンショッピングでも同じ名前のものを売っているので、名前を知っている人は多いと思う。それで、使ってみると、これが驚くほどよく落ちる。たとえば台所のシンクのカルシウム汚れなど、スプレーしてさっと拭くだけで、気持ちよいくらいにきれいに落ちる。日本には粉末タイプしか売っていないようだが、こちらには、「風呂用」、「キッチン用」、「じゅうたん用」と、いろいろなタイプの液体スプレーが売っていて、日本へ帰るときには買いだめして行こうと思っている。アメリカの洗剤はOxyCleanのように強力なものがあると思えば、水と変わらないくらいに全く汚れの落ちないものまで様々である。また、どれも香料が強烈なことでは共通している。洗濯用の洗剤と食器洗剤は日本のもののほうが断然良いと思う。

洗剤といえば・・・ オサムシなどでは、雄交尾器の内袋(実際に雌の体内に入る部分)を反転させ、それを分類形質に使うことがある。その場合には注射器を使い、交尾器の基部から水、空気、あるいはなにかしらの液体を流し込み、内袋を反転させる。この方法をなんとかハネカクシに使えないものかと思ったが、微小なハネカクシに注射器を使うのは困難である。そこで思いついたのが「手間なしブライト」を使う方法である。少し残酷だが、生きたままのハネカクシや微小な甲虫を「手間なしブライト」に放り込むと、体内のカタラーゼと反応して気泡を出し、その気泡が交尾器を体外に押し出し、さらには内袋を反転させる。かなり画期的な方法で、なんとか論文にしたいと思っているのだが、いかんせんこの「手間なしブライト」が日本でしか手に入らない。それで、アメリカにも似たような洗剤がないかと探してみたが、結局見つからずじまいだった。いつか似たような効果のある液体を作ってみたいと思っている。