断虫亭日乗

過ぎ去る日々の思い出をつづるだけ

午前中はインドの研究者が来て、博物館関係の施設と熱帯研を案内した。部屋に来て早々、何も言わずに餅入りチロル宇治抹茶を2個食べたのには驚き、心が傷んだが、まあいい。しかもミルクティーを注文してきたので、急いで紅茶にたっぷり砂糖を入れて、コーヒー用のミルクを入れた。その後も餅入りチロル宇治抹茶は減り続けた。
インド南部の大学に勤めており、こんど採集に来いとのことで、二つ返事でこちらからお願いした。案内が30分で済んでしまったので、農学部食堂で1時間ほど話をしたのだが、インドの教育事情には驚いた。何に驚いたかというと、その驚くべき発展状態である。たとえば、彼の大学の生物系だけでも毎年450人もの院生が入学するそうで、動物解剖に対する倫理的な配慮から、昆虫や哺乳類の解剖バーチャルソフトで実習をするそうだ。さすがコンピュータ大国。また、大学内ではプラスチックの包装物を一切禁止し、すべて古紙で包まれたものが流通している由。エコも結構進んでいる。ただしインド国内でも大学間に経済的な格差があり、お金のある大学とない大学ではかなり事情が違うそうだ。
午後から再び実験。ヒメサスライアリの雄の交尾器はいい感じに透明化が進んでいる。キアゲンDNeasyのProKとATLバッファーは優れもので、タンパクはもちろん、油脂もかなりきれいになるので、DNA抽出後はそのまま標本にできる。