断虫亭日乗

過ぎ去る日々の思い出をつづるだけ

数年前に「マニフェスト」という言葉が世に現れたとき、一部でこの言葉を翻訳して使用しようという動きがあった。「政権公約」、「公的明細」などを記憶している。しかし選挙で使われたという事態が災いし、テレビや新聞を通じてあっという間にこの「マニフェスト」が浸透してしまった。そもそも日本には使う必要のない(少ない)カタカナ外来語が氾濫しすぎているが、それが年々増えているのは残念なことだ。もちろん、カタカナ外来語を使う理由は様々で、便利なことがある点やときに必要がある点も認めるが、それを考慮しても、必ずしも必要なく、和語に言い換え可能な場合は少なくない。
悲しいことに最近の博物館活動にも外来語が氾濫していて、たとえば、「バックヤードツアー」や「アウトリーチ」、「サイエンスカフェ」などという言葉が今や普通に使われつつあるる。しかし、市民との接点の多い博物館において、活動の内容を外部に知らしめる必要のある場合、弱者でも理解可能な言葉を選ぶのは最低限のことである。欧米の良い手法を取り入れるのは大いに結構だが、言葉(=文化)までそのまま移入する必要はない。
カタカナ外来語を和語に言い換えることに反対する人の言い分として、もとの言葉と訳語の意味合いが違うので、言い換え自体に問題があるということがある。しかし人は、ある言葉が使われる状況を知って初めて、その言葉の意味を理解する。たとえば、欧米でいう「サイエンスカフェ」と同じ内容を、子供相手には「こども理科教室 さかなクンと話そう」というような題で、老人相手には「科学懇話会」のような言葉を使って催せば、そこにわざわざカタカナ外来語を持ち出す余地はない。
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予定どおりトマトの接木苗を購入した。最初にホームセンターで2つ買うが、どうも勢いが悪い。次に近所の園芸専門店「平田ナーセリー西小戸店」に行くと、値段は少々張るものの、非常に元気の良い大型の苗が売っており、3つ購入した。その他、パセリとバジルの苗、万能ねぎとヒマワリの種、グラジオラスの球根を買った。
それから釣具屋へ行き、胴長靴を購入。再来週末から中島淳さん(現工学部学振PD)と宮崎と鹿児島方面に潮間帯性の昆虫を採集にでかけるので、その際に使用するものである。胴長といっても水の深場に入るわけではなく、単に磯にしゃがんだり、干潟にひざをつくのに汚れずに便利だからである。