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朝から熊本へ。今日は熊本県博準備室の収蔵庫からの大塚勲さんの本の運び出しをした。それにしても大塚蔵書のすばらしさといったらなく、今日も箱詰めしながら時折唸るものがあった。児童書から、高級な図鑑類、町村史、環境調査報告、地方同好会誌のほぼすべて、国内学会誌、生物関係の一般雑誌の昆虫の記事があるものまで、戦後の国内の昆虫に関するかなりの資料が揃っている。地方同好会誌はすべて県博へ残すことになったが、これで九大の昆虫蔵書はますます幅の広い大きなものとなった。これから棚への収納、蔵書印押し、表紙の取り込みを含むデータベース化など、多くの仕事が必要だが、容易に入手できない本ばかりなので、ほんとうにありがたいことである。大塚さんの永年の研究は熊本県の昆虫相の解明にあったが、その背景には多くの資料に基づく精緻な情報収集があった。これら蔵書の集積は熊本県の昆虫相の解明への情熱の賜物である。今日、改めて蔵書の数々を見てそれを実感した。