断虫亭日乗

過ぎ去る日々の思い出をつづるだけ

昨日は午後にわずかに晴れ間が見え、今日は朝からの快晴だった。雨にあたる前にトマトを収穫するついでに写真を撮った。トマトは雨が多いので甘くはなさそうだが、たいへんよく実っていた。

ゴッホのヒマワリ」が満開。たしかにゴッホの絵のヒマワリに似ている。

トマトが鈴なり。過肥気味。

大きな「桃太郎」が実った。

左の4つが「桃太郎」、右の2つが「ソプラノ」
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朝届いたMLで、ヘラシギの個体数、最大の見積もりで249羽ということを知る。最小で50羽。日本国内の話しではない。世界での話しである。この数字を見て朝から背筋が凍った。何年か前には2000羽と聞いていたが・・。問題は越冬地。中国南岸やインドのようだが、これらの地域にきれいな干潟があるはずはない。保全の方策はあるのだろうか。
http://www.birdlife.info/wbdbwebstaging/SpcHarnessDetails.asp?sid=3060&m=0
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原稿書き、展示関係の仕事、FITの仕分けなど。ニッポンバラタナゴの婚姻色が薄れてきた。もう季節も終わりか。
今日はボーナスの明細が届いた。1月着任で満額ではなかったが、なかなか嬉しいものだ。
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この仕事に着任して約半年が経った。1ヶ月前からようやく研究が再開できるようになったくらいなので、まさに怒涛の半年でもあった。落ち着いてきて、ボーナスももらって、ようやく職を得た実感というものが沸きつつある。
5年もポスドクをやって、その5年間は常に崖の先に向ってじわじわ進むコンベアーに乗せられた気分で、気持ちの落ち着く隙がほとんどなかった。5年というのはまだマシなものかもしれない。もっと長くポスドクをしている人はたくさんいる。
また、長くポスドクをやっている人のなかには、やたらと僻みっぽくなってしまったり、批判的でとげとげしくなってしまったりする人もいる。つまり先の見えない苦労で心が荒んでしまうのである。これはポスドクをやった人間以外には理解しがたいだろう。そして、いつか自分もそのように荒んでしまうのではないかという不安もあった。たまに苦労人と出会うと、苦労はするものじゃないと思ったが、自分の気分的な疲弊状態を思い返すと、実際にその一歩手前まで来てしまっていたような気もする。
実感がなかなかなかったもう一つの理由に、九大に就職したという事実がある。ポスドクの間は、地方国立の生物教育や県立博物館を希望していて、もしそういうところに就職できたら最高だと思っていた。もちろん、北大や九大という言葉が頭を掠めたこともあったが、夢のまた夢、いざ就職となると微塵も想像がつかなかった。決して変な意味ではなく、昆虫の分類において北大や九大が東西の横綱であって、この分野の研究者にとってこれ以上の職場はない。
この職を得た以上、しっかりと昆虫の研究をしないのは罪悪であると私は思う。いまは時間との戦いにあって、「博物館の将来ための仕事」、「自分の研究のための作業」という2つの柱をどうこなすか、常に悩んでいる。もっとも、こういうのも贅沢な悩みに違いなく、とりあえずはがんばるほかないと思っている。(月末から月始めはあわただしいので今日このようなことを書いてみました。)