断虫亭日乗

過ぎ去る日々の思い出をつづるだけ

昨晩は虫の声がにぎやかだった。とくにケラ。帰りがけに畑の地面からケラの「ジーン」という声が響いていて、子供の頃、近所でケラの幼虫を採ってきて、家の植木鉢に入れておいたら、いつの間にか成虫になり、その鳴き声で驚いたことを思い出した。静岡の従兄弟はミミズが鳴いていると言っていたが、そういう話しは日本各地にあるようだ。ケラといえばマレーシアには日本の種の2倍くらい(体重にしたら5-6倍?)のものがいて、たまに地面から大きな音が聞こえるが、未だ生きているものをみたことがない。ケラを捕まえで手の平に閉じ込めると、一所懸命に指をこじ開けようとしてその思いがけない力に驚くが、あの大きなケラだったらどうなるだろうかなどと考える。そういえば先日の上池の観察会でミイデラゴミムシを見たが、ミイデラゴミムシの幼虫はケラの卵を食べるそうだ。ということはあそこにもケラがいるのだろう。たしかに両者の生息環境は重なっていて、ミイデラゴミムシの多産するところには必ずケラも多産する。ただしケラのほうが生息環境の幅が広く、果樹園や畑地にもいることがある。ヨーロッパにも日本のケラにそっくりな同属種がいるが、各地で激減していて、イギリスでは絶滅寸前らしい。幸い、日本はヨーロッパに比べて湿潤で、ケラの住める環境は多いので、開発が多少進んでもまず平気だろう。しかし、走光性が強く、飛んで移動する際に灯火に引き寄せられることがあるので、それによって数を減らしてしまうことも考えられる。圃場整備などの環境変化を含め、楽観してしまうのも危険かもしれない。

        • -

朝っぱらからとりとめもなくケラの小話を書いたが、それ以後は怒涛のような一日だった。今週の睡眠時間は短い。明日は「エンマコオロギのジャム」の話しを書きます。