断虫亭日乗

過ぎ去る日々の思い出をつづるだけ

今日も朝から書類書きにメールなど。1日30分ずつやっていた論文がようやく終わり、共著者へ流す。この調子で年に短い記載を10本くらい出せないだろうか・・・。
小松君から原稿の草案が届く。大変よくできていてびっくり。虫捕りの片手間にやったとは思えない。細石君の原稿も見てみる。デビュー作にしてはかなり良い。どちらも打ち出してマレーシアへ持っていこう。
ミュンヘンの学生から送られてきたマレーシアのUlu Gombak(私もいつも行くところ)の好蟻性甲虫を見てみる。ハネカクシと微小な甲虫があった。ハネカクシはハシリハリアリの一種Leptogenys borneensisから採れたもので、1新属を含む2新種だった。すでにUlu Gombakからは5種のLeptogenysハネカクシが見つかっていて、もう打ち止めだと思っていたのに。キリがない。ハシリハリアリの種ごとに別のハネカクシがおり、恐るべき種分化。
微小な甲虫は二つあって、一つは体表寄生性のムクゲキノコムシで、昔から知られていたが未記載のもの。これを機に大阪の澤田兄に記載してもらおう。もう一つはタマキノコムシで、「これは菌食で、好蟻性じゃないよ」と伝えたら、「いや絶対に好蟻性だよ。菌食(子実体を収穫)のアリが運んでいるキノコに乗っていたから」とのこと。びっくり。先入観はいけない。