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タイのKhao Yaiで仕掛けたFITの収穫物を仕分けしていたら出てきたノミバエの雌雄。最初に翅のないノミバエに気付いて、翅がないのに何でFITに落ちたんだろうと思ったら、雄がお尻にぶらさがっていた。いや、正確には雌のほうがぶら下がっていたことになる。シロアリの巣にすむノミバエには、雌の翅の退化したものが少なくない。巣のなかで自在に動き回るために翅が邪魔なのである。しかしそれでは雌が自力で移動できないことになり(とくにシロアリの巣という閉鎖的な環境では、少々歩けても別の巣に移動できる可能性は低い)、適応的に不都合なことがある。そこで交尾した雌は、そのまま雄にぶら下がって、別の巣に移動するのである。雌がお願いするのか、雄が無理やり連れて行くのかは定かではない。あるいは一度交尾するとはずれない仕組みがあるのかもしれない。それにしてもこの雌雄差はすごい(ノミバエではありふれているが)。どちらかが別々に見つかったら、それぞれ別種(別属)として記載されてしまうだろう。
画題:「かけおち」