断虫亭日乗

過ぎ去る日々の思い出をつづるだけ

朝いちばんの飛行機で松山へ。森本先生と山本君が同じ便だった。会場へ着くや否や、幹事会で新編集委員としての挨拶をさせられる。午後から講演を聞き、それからシンポジウム「昆虫分類学者のタマゴ、未来を語る」が始まる。
最初に私が基調講演として、「昆虫分類学徒のこれから」という話しをした。要は、日本の昆虫相解明は愛好家の手によるところが大きいので、職業として昆虫を研究していない人も、どんどんと記載分類を始めてくださいということ。そして、職業研究者になるのなら、ああしなさいこうしなさいという内容である。続いて、「タマゴ」の講演で、北大M1の蓑島君、愛媛大B4の瀬島君、九大B1の山本君が、自分たちの来た道と将来への夢を語った。こういう講演は普通ないので、最初はどうなるかと思ったが、予想以上の盛況、いや盛況なんてものではなく、終始歓声に包まれたシンポジウムとなった。その後の懇親会では、「それぞれ個性があって,みんな説得力のあるすばらしいものだった」、「学会始まって以来の良い企画だった」など、別に私が何をしたわけでもないが、歓喜余った先輩方からお褒めのお言葉をいただき、最後に締めの挨拶にまでお呼ばれしてしまった。
昆虫分類学の世界の一番の不安は若手が少ないことである。その暗い現実のなか、今回のような元気な若者の存在は、多くの虫屋さんを喜ばせたようだ。同世代の若手も気が引き締まったというし、先輩方も喜んで協力しようという気持ちになったそうだし、その点でも意義のあるシンポジウムとなったと思う。
懇親会のあとはゾウムシ屋さんの飲み会へ。知らない人ばかりだったが、楽しかった。九大生研出身の藤本君はかわいい奥さんも連れてきていて、おじさんたちを喜ばせていた。今回は22日の晩のホテルがどこも満員で、タマゴの瀬島君のうちに泊めてもらった。