断虫亭日乗

過ぎ去る日々の思い出をつづるだけ

日本人の間でもっとも忌み嫌われている虫はゴキブリであろう。虫に詳しい人であれば、大部分のゴキブリは野外にひっそりと暮らしていて、人間の日常とはほとんど関わりのないことを知っているが、それでも生理的に受け付けないこともあるようだ。また室内に出現する種についても、必要以上に恐れ、その害を過大に捉えていることが多い。これは完全に周囲の人やマスメディアから受ける刷り込みのなせる業である。家屋の中に虫の多い地域であれば、そんなことは言っていられないはずで、ゴキブリ嫌いは潔癖な生活のなかで罹患する一種の病といえる。私はゴキブリは好きである。少なくともコオロギやカマキリとは同等である(系統上でもカマキリと兄弟なのだが)。だから外国では積極的に探す。ここに挙げたのはとくに美しいもの、とくに変わったものである。
1番目は全身が美しい若草色を呈している。世界には青く輝くものもいるし、テントウムシの模様をもつものもいる。ゴキブリの色彩というのは想像以上に豊かなものである。2番目は通称「ホタルゴキブリ」で、毒のあるホタルに擬態したいけど、光れないから仕方なく蛍光色で誤魔化しているように見える。当然、擬態は昼間しか通じないが、捕食者からすれば昼間でも光っているホタルに見えるのだろうか。また、ホタルと違って頭側が光るように見えているが、頭と腹部をひっくり返すのは擬態ではよくあることで、この場合どちらでもあまり関係のないことなのだろう。想像ばかりだが。3番目は頭が完全の胸の下に隠れている。しかし上部を見られるように、胸の頭を覆う部分が窓のごとく透明に透けている。地味なゴキブリに見えるが、変わっている。さしづめ「マドゴキブリ」とでも言おうか。(エクアドル
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