断虫亭日乗

過ぎ去る日々の思い出をつづるだけ

朝一番で昨日の干潟へ行く。キバナガミズギワゴミムシの仲間がこの時期の昼間でも動いているか確認するためである。干潮を待つが、最干潮の時間でも昨日の観察地が露出せず、無駄足に終わった。長潮で、昼間の干潮はあまり引かないようだ。
次に相良川林道へ行く。昨晩、林道の入り口にショベルカーが置いてあったのでおかしいとは思っていたのだが、林道を大々的に工事していた。以前は狭い林道だったのだが、太い道を通して、川を掘り返して、見るも無残な光景となっていた。林道の轍にいるリュウキュウオオイチモンジシマゲンゴロウ(長い)を採ろうと思ったのだったが、それどころではない。
今にも泣き出しそうな空(紋切り型の表現)。天気が崩れないうちにシロアリの巣を見なければと、昨日の現場へ向かうことにする。首尾よくいくつかの菌園を掘り出すことができた。
13時半ごろ、細さんの様子を見に、琉大熱生研へ行く。まだお休みのところを起こしてしまった。申し訳ない。そしてイワサキセダカヘビを見せていただく。眼福眼福。こういう機会がなければ、一生見られない可能性のほうが高かった。
それから多見謝の登山道へ行き、橋村さんが採集をしている間に、シロアリの菌園を仕分けする。なかなか良いものは1つ採れた。
次に別の遊歩道へ行く。これが思いのほか良い環境で、橋村さんはシロスジメダカハンミョウをたくさん採集されていた。歩道の入り口にイワサキクサゼミが多かった。この時期に来るのは初めてで、このセミも初めて。
夕飯は細さんとご一緒する。彼の同世代の状況を聞いたり、研究の話しを伺ったりして、楽しかった。それにしても大変な研究材料だ。私はナーベラーチャンプルーを食べる。ヘチマの土臭さがおいしい。
部屋で仮眠をとり、再び浜辺へ向かう。明るいうちに目をつけていた海岸をまわるが、どこも意外なほどによくない。潮の引く前の海草草原を歩くと、シバエビのようなおいしそうなエビがたくさんいた。またどこも、ボラの子供がバチャバチャと暴れていた。
昨日の干潟はやはり良い。観察していて、キイロキバナガミズギワゴミムシの食性がなんとなくわかった。
その近くの10年以上前に虫の多かった灯火に行くが、めぼしかったのは橋村さんが採集したタイワンオオヨツボシゴミムシくらいだった。明るい灯火だが、十年以上も周りを照らし続ければ虫は減るだろう。