断虫亭日乗

過ぎ去る日々の思い出をつづるだけ

大串龍一の「セミヤドリガ (日本の昆虫)」を読む。この「日本の昆虫」のはどれも良いが、このセミヤドリガは、名著といってよいほど、とくに良いと思う。淡々とした記述ではあるが、読み進むにつれ、物語のようにその生活史のふしぎが、明らかになっていく。この本は大学生のときに一度読んだが、改めて学ぶところが多い。
ところでこの大串龍一先生というのは、とてつもない巨人だと思う。実にさまざまな分野と分類群で研究をされている。この時代にはいろいろな生物に博物学的な知識のある生態学者がたくさんいるけど、今の若い世代にそういう人は非常に少ない。専門馬鹿ですごい研究をするのも立派だけど、生き物全般にやたらと詳しい先生がいないのは淋しいだろう。
セミヤドリガ (日本の昆虫)