断虫亭日乗

過ぎ去る日々の思い出をつづるだけ

西表島1日目

夕方に宿「民宿マリウド」に着き、すぐに森へ行く。とりあえず船浦の奥のドンヅマリの沢沿いの道に入り、放置型灯火を仕掛ける。森の中が暗くなった19時半に点灯。海に近いので、クロベンケイガニ、アカテガニ、ミナミトビハゼが道沿いのぬかるみに多い。水中にはオオクチユゴイやチチブモドキが目立った。最近西表に入ったヤツボシハンミョウは、昨年10月、今年3月の印象では、畑地や裸地だけにいると思っていたが、今回は林内にも非常に多かった。
それから古見方面へ行き、相良川林道へ入る。暗闇では怖いかと思ったが、そうでもなかった。途中で沢を渡ったり、巨大なコンジンテナガエビを捕まえ損ねたり、タイワンウマオイやキマダラコオロギの声を聞きながら沢を詰める。セレベスコノハズクの声も少なくないが、マレーシアに比べると森が静かで淋しい。虫の時期も終わっており、見かける虫が少ない。
3月に訪れたときには林道の工事をしていたのだが、その理由がわかった。奥に堰を作って、そこから水を引くパイプを設置していたのだった。できたての堰は恐ろしく深く、電灯で照らすと青い水底にエビの眼が光った。
22時過ぎに放置型灯火を回収に行くが、目的にヒメサスライアリの雄は採れていなかった。もともと少ないとは思っていたので、拍子抜けということはない。お月見ではあったが、無風で蒸し暑く、条件は悪くなかった。受け皿はトビケラの山になっていて、二度と沢沿いには仕掛けないと誓った。そういえば、古見へ行く途中の自動販売機や街灯にはアオドウガネやムシスジコガネが多かったが、林内に仕掛けた灯火にはエサキアオドウガネしか入っていなかった。生息環境が違うのかもしれない。
その他の脊椎動物キンバトカンムリワシ(西表ではトビ並の普通種)、ミナミイシガメ(道路を一所懸命に横断していた)、サキシマキノボリトカゲ、キシノウエトカゲ(久々に見た)、サキシマハブ、サキシマヌマガエル、ヒメアマガエル(オタマのみ)。
発電機は届いておらず。