断虫亭日乗

過ぎ去る日々の思い出をつづるだけ

節足動物関係では久々の大著、小野展嗣編著「日本産クモ類」(東海大学出版会)が出た。日本のクモを総合的に扱った本としては、千国安之輔著「写真・日本クモ類大図鑑」以来である。本書は同定に主眼を置いており、740ページからなる本書の大部分は検索表と解説に割かれている。また、図を豊富に用いた解説は非常に詳しく、分布や生態の情報も充実しており、同定はもちろん、本書によって日本のクモの全容がつかめることは間違いない。日本のクモを知るためには必要不可欠な本であろう。カラー図版は48ページで、大半が生態写真で、一部に液浸の写真がある。定価は33,600円 (税込)だが、この内容では安い。