断虫亭日乗

過ぎ去る日々の思い出をつづるだけ

会議長引く。それから延々と書類作成・・・。旅行前に済ませていかなければならないことは一通り終わったと思われる。
金尾君にシロアリの属同定の練習をしてもらう。かなり難航していたが、そんなものだろう。
夕方、井田さんが来て、標本作製のバイトをしてもらう。夕飯は満福軒で辛いリュージーロー。
お魚の本、内田恵太郎の「さかな異名抄 (朝日文庫)」と蒲原稔治「魚 (エコロン自然シリーズ)」を買う。
前者は魚類の和名に関する考察。まえがきを読んで、著者が渋沢敬三と親友だったことを知った。渋沢敬三といえば、民俗学者であり、宮本常一パトロンでもある。宮本の大ファンとして思わぬ発見だった。内田恵太郎の魚類標本はの一部は当館にあり、朝鮮半島の淡水魚類が充実している。標本を管理するには蒐集者のことをよく知ってたほうがよいと思い、これから内田恵太郎の本は集めて行こうと思う。もちろんそれは、それらの本が面白そうだからでもある。
後者は古い図鑑を再編成したやや古い図鑑で、普通種をできるだけ網羅した内容となっている。何が面白いかというと、各種の味の評価である。現在ではまずまずの高級魚であっても「まずい」と切り捨ててあり、近似種間の微妙な味の差についても触れてある。その厳しい評価がなんとも面白い。いかにも無垢な顔をした魚に「まずい」と書かれていると、なんだかその魚が気の毒な気もしてしまう。