断虫亭日乗

過ぎ去る日々の思い出をつづるだけ

森の中の道を歩いていたら、晴天にもかかわらず、急に雨が降り出した。そして少し先へ進むと、急に雨がやんだ。それから同じところへ戻ると、また雨が降っている。変だなと思って見上げると、木の上から雨が降っている。そしてよく見ると、セミがぎっしりと止まっていて、そのオシッコであることがわかった。見事な雨だった。蝉時雨とはこのことかもしれない。あまりに密集しているので、木の下で待っているとたまにセミが落ちてくる。手に取るとクマゼミを小さくしたような黒いセミだった。木はマメ科の仲間だった。マメ科の木はセミに好まれる事が多い。