断虫亭日乗

過ぎ去る日々の思い出をつづるだけ

朝から小学生70人の博物館見学で、鉱物標本室、骨格標本室、大塚標本展示を案内した。途中で昆虫に関する講演を行い、短い時間でいろいろな話をした。こんな話もした。
「ゴキブリの大多数は森の中でひっそり暮らしていて、なかにはとてもきれいなものもいます。みんなのゴキブリ嫌いは、すべてお父さんやお母さんからの刷りこみで、それは愚かな思い込みとも言えます。そもそも思い込みというのはよくない。素直にものを見てみましょう」
だいたい、虫の嫌いな子が多くて驚いた。陸上生物のなかで最も多様な昆虫を嫌うなんて、自然の理解を端から放棄しているようなもので、悲しい現実を突き付けられたような気さえした。これもゴキブリ嫌いの延長なのだろう。
昼は久々に理学部の事務の方たちとお昼に出かけた(日福飯店)。生ビールが300円だそうで、飲みたくて仕方なかった。「先生だったらいいんじゃないですか」とは言ってくれたが。
午後から昆虫学教室に来ようかどうか迷っている3年生が標本室の見学に来た。冗談を交えて話していたら、本当に面白いことを言っても、「それ本当ですか?」と訊かれてしまった。昆虫の世界は冗談みたいに面白いことばかりで、たとえ事実であっても信じがたいことが多いので、冗談を交えて話すのは大変紛らわしいようだ。
「キョロロ」にいたシデムシの永野君から電話があった。なんと1月から大分大学に転職したとのこと。バリバリの福岡弁で話すので、何でかと思ったら、もともと春日市出身だという。大分昆虫同好会に入るように勧めた。
夕方にウィーン甲虫学会の雑誌に論文を1つ投稿した。締め切りから1か月遅れの提出。
今日も金尾君、ボスレー、ミッシー、山本君と、賑やかだった。