断虫亭日乗

過ぎ去る日々の思い出をつづるだけ

7時にホテルを出て、飲茶の朝食の後、タクシーでBukit Larut(Maxwell's Hill)の登山口に向かう。そこで山頂送迎の切符を買い、ランドローバーで急坂を登る。
下ろされたのは標高1036メートルの地点で、当初は帰りも迎えに来てもらう予定だったが、歩いて降りることにした。
ジョーは道端の土壌を篩って良いアリヅカムシを見つけて大興奮。細石君もProtanillaという珍しいアリを採集していた。山全体がすばらしい森で覆われており、しかも水脈が豊富なので、どこにも虫の影が多い。
私はサオナシツノゼミHybandoides sumatrensisを発見。

途中でノボタンの群落があり、オウシツノゼミLeptocentrus taurusが無数にいた。


ただし舗装道を下るだけなので、私の目的のヒメサスライアリは全然見つからない。小松君もオオバギ以外はあまりふるわないようだった。
途中でオニオオバギMacaranga giganteaから和菓子のようなイラガの幼虫を採集した。ウミウシのハナデンシャにも似ているので、ハナちゃんと名付けて飼育することにした。きっと天使のような可愛い蛾が出てくるだろう。

帰り道は10キロメートルだったのだが、これが予想以上に長かった。少しずつ採集しながら、9時間かけてようやく下山した。山麓の標高は100メートルなので、900メートル下ったことになる。
もうクタクタ。昼食を買いそびれてしまったので、ペコペコ。先に到着した私と細石君と小松君で、登山口のカフェでナシゴレンを注文した。さてどうやってホテルまで帰ろうかということになったが、あちこち聞いて回っていると、親切な人がタクシーを呼んでくれた。
17時に登山口で待ち合わせしていたのだが、ジョーは19時近くにタクシーが到着してもなお戻らない。タクシーに待ってもらって、19時過ぎにようやくジョーが到着した。タクシーを20分以上も待たせたのだが、こちらの人はのんびりしているのか、まったく余分に代金を取ろうとしなかった。
夕飯はホテルの近くの食堂で、肉骨茶などを食べる。
小松君がパンツ一丁でオオバギの試料を整理している。