断虫亭日乗

過ぎ去る日々の思い出をつづるだけ

7時過ぎに起き、ラーメンを作る。なかなか疲れが抜けない。昨日はウルシに触ってかぶれてしまい、何度か痒みで目が覚めた。それでも、寝る前に急いで強力な薬を塗ったので、酷くなる前にかなり引いてきた。
調査も残すところ数日。体力も限界に差しかかっている。非フィールド系の研究者は、海外出張というとバカンスか何かのように思うらしいが、とんでもない。今回は将来的な調査のための下見で何か所かをまわったが、移動が多かったのも疲れを増す要因だったと思われる。今回は1つ目的の種があったのだが、この分では採れないだろう。1か月はあまりに短い。
今日は朝から採石場の狩猟道に入る。かなりの長い間、人が入っていないようで、道が荒れ放題で、歩くのに苦労した。数か所でタケの開花と枯死があり、その部分では明るいギャップになっていた。来年から数年は遷移中の環境が面白いはずだか、道がなくなってしまうようでは再訪できない。熱帯では木の倒れることが頻繁で、今回も何か所か倒木が道をふさいでいた。次回来るときには通れなくなっているかもしれない。

帰り道にケブカヒメサスライアリAenictus gracilisの引越しを見つけた。2時間くらい行列を観察し、ハネカクシと女王を得た。かなりのコロニーサイズだったが、ハネカクシの数は乏しかった。
ツノゼミは初めて見る種が6種ほどあった。一つは下の写真と同じLeptobelus属のもので、写真の種より角がより長く、細かった。もう一つは上の写真のマルツノゼミの一種Gargara sp.で、2ミリメートルほどと微小ながら、可愛らしい模様の種だった。


帰りに昨日のL. damaの場所に寄った。小松君がサファイアツノゼミCentrotypus flexuosusを見つけた。この種は陽光の下で青く輝くが、野外のストロボ撮影だと真っ黒になってしまう。どうやって撮るのかと思ったら、シャッタースピード1/20で手持ちで軽くストロボを当てて撮影していた。しかもすぐに逃げるツノゼミを上手に操って。
「すごいね。普通の人にはできないな」と言ったら、「私は普通の人にできることができないのですから、私にしかできないことがあってもいいじゃないですか」という名言を残した。
夕飯は野菜と牛肉の缶詰の炒め物。