断虫亭日乗

過ぎ去る日々の思い出をつづるだけ

ヨコバイのような姿をしているが、ツノゼミ科に近縁なツノゼミモドキ科Aetalionidaeの一種Aetalion reticulatum。通常、このように集団で生活し、子供を保護する。この仲間で興味深いのは、ハリナシバチTrigona spp.がつきまとって甘露を受け取る点である。多くのツノゼミは(少なくとも幼虫時代はすべての種で)アリに甘露を提供し、その代わり外敵からの保護を受ける。ハリナシバチにつきまとわれてこの虫に何の得があるのだろうかと疑問に感じるが、おそらくこの虫は毒を持っており、あまり外敵がおらず、余分な甘露をハチに掃除してもらうためだけにこの関係を維持しているのだろう。それでもなぜ、アリがおらず、ハリナシバチなのかはよく分からない。