断虫亭日乗

過ぎ去る日々の思い出をつづるだけ

3月末にEsakiaの多田内先生の退官記念号が出版された。今回は編集にも携わるとともに、私はとびきり格好良いヒゲブトオサムシの新種の論文を寄稿し、その論文でEuplatyrhopalus tadauchiiを命名し、記載した。多田内先生は言葉に尽くしがたい恩人である。その先生にささげた論文が、奇しくも自分の100本目の論文となった。(記載論文の数としては、全く大したことではなく、自慢とかではありませんので、念のため。)

100. Maruyama, M., Nomura, S., Sakchoowong, W., 2012. A new species of the genus Euplatyrhopalus (Coleoptera, Carabidae, Paussinae) from Thailand. Esakia, (52): 5-7. (full PDF)

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今日は就職以来、最大の怒涛っぷりだった。朝から50本はメールを書き、いくつかの書類を書いた。それに加えて夕方に来客もあった。しかし、ようやく21時半から始めることのできた原稿はかなり気持ちよく進んだ。私の場合、忙しすぎて気分が高揚しているくらいのほうが執筆が進むようだ。
ここ14日ほど、毎日夕飯はうどんにしている。毎日である。先週は自宅そばの「ウェスト」に通っていたが、大学の近くに「小麦冶」という店があり、そこがすばらしくおいしいことを知ったので、今週は小麦冶に通っていた。腰が弱く、もちもちした感じで、なんとも喉越しが良い。
現代日本社会は腰の強い讃岐うどんに席巻されており、私も讃岐うどんに傾倒した時期があった。しかし、腰が弱くておいしい福岡のうどんを食べて以来、私の育った東京のうどんも同様に腰が弱かったこともあり、近頃は腰の弱いうどんに回帰しつつある。また、福岡はうどんの歴史が日本で一番古く、実はうどんの元祖なのである。その点でも全幅の信頼を置いて良いと思う。
東京のうどんは汁が全く異なる。福岡が出汁主体であるのに対し、東京は醤油主体なのである。これはどちらも捨てがたい。東京について、駅のホームで醤油の匂いを嗅ぐと、なんとも食欲をそそられる。麺については、福岡のテロテロのうどんのほうが、ある意味徹底していて好きである。いつか東京で汁を買ってきて、福岡のうどんを入れてみたい。