断虫亭日乗

過ぎ去る日々の思い出をつづるだけ


ヘビはラテン語serpensという。このツノゼミは「ヘビの」という意味のserpentinumという種小名を持つ種で、にょろりとした後突起の形にちなむ。serpensを語幹とする学名を持つ生きものは多々あるが、これはおそらくツノゼミ科では唯一のものだろう。少し前にこの存在を知り、昨年は年賀状のためにこれを採集しようと誓ったが、結局、私には採れなかった。幸い、藤野さんが昨秋ランビル国立公園に滞在した際に幼虫を採集して羽化させてくれた。この同属の種はどれも姿形の美しいものが多い。そのなかにあって、この種は地味だが、角だけは見事に蛇状で面白い。