断虫亭日乗

過ぎ去る日々の思い出をつづるだけ

ジャポニカ学習帳

ジャポニカ学習帳の表紙から昆虫が消えたというのが最近になって話題になっている。実は数年前から消えていたと撮影者で写真家の山口進さんから伺っていた。理由は下記のリンクに書かれている通りである。


Yahoo!ニュース - ジャポニカ学習帳から昆虫が消えた 教師ら「気持ち悪い」 40年続けたメーカーは苦渋の決断 (withnews)

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昔は子供が多かったこともあって、どこのスーパーマーケットのレジの近くにもジャポニカ学習帳がたくさん配架されており、私は自分に関係のない分野の表紙と奥付を立ち読みするのが習慣になっていた。外国の虫の生態写真が載った本は少なかったので、この本で始めて生きた姿を見た虫や、その存在を知った虫は非常に多かった。もちろん植物も好きだったので、見たことのない植物の写真は常に新鮮だった。

山口さんと知り合ったのは比較的最近で、そんな表紙の撮影者とお会いできたのは非常に光栄で、嬉しかった。 

昆虫の写真がなくなってしまったのは、いろいろな点で悲しく、理由を知れば腹立たしいことである。しかし、考えてみればショウワノートが最近までこのような事業を続けてくれたことは奇跡であり、同社のこれまでの教育的貢献を讃えるべきであろう。そして、植物は継続して表紙を飾っている。それだけでも驚異的と思いたい。

 山口さんといえばいろいろな面白い本を出されているが、数年前に読んで感動したのがこの本「地球200周!ふしぎ植物探検記 (PHPサイエンス・ワールド新書)」。題名の通り、珍奇植物を探し求めて地球のあちこちを旅した話だが、軽く1冊にまとめるには余りにも濃い内容で、頁をめくるのがもったいないほど面白い。とくにショクダイオオコンニャクの撮影の苦労には、同じ野外調査者として頭の下がる思いだった。