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断虫亭日乗

過ぎ去る日々の思い出をつづるだけ

7時に朝食。中国人の団体客が多く、なかなかエレベータに乗れず、掃除の人に頼んで従業員用のエレベータを使わせていただいた。
8時半、ホテルのロビーで国立公園局のワタナさんに許可書をいただき、助手のワオさんと運転手のカムヌンさんとともに、カエンクラチャン国立公園(Kaeng Krachan)へ向かう。カエンクラチャンはバンコクの南西部、ミャンマーとの国境地帯に位置する。テナッセリム山脈という地域で、ミャンマー側はイギリス領時代に調査されており、とても重要な地域。なによりこの地域ではずばぬけて広大な原生林が残されており、昆虫の多様性についてはタイで最も魅力的かつ未調査の地域と思われる。2010年の10月、2012年の3月と、これまでに2回来ている。今回で3回目だが、虫の多い時期なので、期待している。
途中の百貨店でいくつかの採集用具を買い出し、豚の肉団子の蕎麦の店で昼食をとり、13時過ぎに国立公園に到着。Ban Krangという入り口から15km入った場所にある野営場である。私たちは案内所の上の空間にテントを張って生活する。屋根付きだが、窓はほとんど割れていて、ふきざらしも同然である。
さっそくFIT(衝突板採集器:Flight interception trap)を仕掛けにいく。標高800mの27km地点、標高300mの20kmポイントと17kmポイントの3か所で環境を変えた。終わるころには夕方近くなっており、急いで灯火採集の準備をして、それも仕掛けにいく。灯火採集は弱い光源による設置型の採集器と、普通に幕をはってHIDの強い光源で行う2つを準備した。設置型は、今回、従来の4W紫外線蛍光灯に加え、紫外線LEDを用いたものを試しに使ってみた。前者は17km地点に仕掛け、後者は宿泊地の近くで行う。
発電機の持ち運びが航空法で禁じられた現在、機内持ち込み可能なHIDはとても便利で、しかも効果的。ここで買える。
灯火総研 http://light-trap.jp/
(そんなこんなで、大変な量の採集用具になってしまい、今回の荷物は45kgを超えてしまった。23kgは預け荷物、機内に20kg以上をもちこんだ。)
夕食後に幕を張って、19時に灯火点灯。すぐに虫が集まってくる。とくに多いのはアツバコガネの類で、ばらばらと雨音のように降り注いだ。


また、ブッタノコギリクワガタやスツラリスノコギリクワガタ(?)は嬉しかった。後者は特に多い。雄はモーニッケノコギリクワガタ、雌はビプラギアトゥスノコギリクワガタの線も濃厚か?(さる学生さんのご指摘。)(追記:やっぱりモーニッケのテナッセリム亜種っぽいけど、それにしても、本当にモーニッケなのか。)





その他、コガネムシが非常に多い。ただし、細かい甲虫は3月に来た時に比べて非常に少ない。カマキリも多種飛来し、ハナカマキリをはじめ、クシヒゲカマキリ、マルムネカマキリ、ボクサーカマキリなどなど10種近くは来ただろうか。私の好きなスズメガでは、ギンボシスズメが非常に多かったのは印象的だった。


オオゴミムシの一種