断虫亭日乗

過ぎ去る日々の思い出をつづるだけ

2018-01-01から1年間の記事一覧

城計画6 畑作戦

家庭菜園は究極の園芸趣味の一つだと思う。単純に食べる目的でやっている人は多くないはずだ。それなら八百屋でやった方が安くつく。野菜を作るのは基本的に難しい。野菜によっては簡単にできるにはできるけど、立派なものをたくさん作るのには大きな壁があ…

城計画5 サンルーム高温事件と近況

10月末、サンルームが出来上がってすぐに大半の植物を移動した。それまではベランダに並べていたが、気温の低下で弱り始めていたのである。一部のガガイモは15度を切ると極端に弱ってしまう。 サンルームの問題は、時に高温になりすぎてしまうことである。そ…

城計画4 水槽部屋

マンションには大きな水槽があった。しかし、鉄筋だからこそ可能であったわけで、木造では床が抜ける危険性がある。なにしろ120センチ水槽だけで、台を合わせて300kgくらいあるのだから。 そこで、改装の際に、床を補強してもらい、ついでに防水の床タイルを…

城計画3 サンルーム建設

工事を急いだのには訳がある。ベランダのガガイモ(多肉植物)をいち早くサンルームに入れたかったのだ。 サンルームはLIXILやYKKなどの市販品がたくさんあり、そこから選ぶのが安上がりである。また、床面積が10平米を超えると建造物となり、設置にあたって…

城計画2 やるべきこと、やりたいこと

新しい中古家屋はなかなか売りに出ないのだが、売りに出るには、いろんな家庭の事情がある。今回は転勤だった。売主の方も、まさか転勤するとは思わなかったのだろう。築はちょうど10年だったが、非常に大切に管理していたようで、ほとんどピカピカだった。…

城計画1 建築か建売か中古か

天神の町から歩いて帰れるマンションに住んでいた。狭いベランダで多肉植物を育てたり、部屋に大きな水槽を置いたり、畑をやりたいけど無理なので、郊外に農協の貸し農園を借りたりしてたら、住み続けることに窮屈さを感じてきた。もっと広い家で、温室を設…

久々

2005年にこのブログを始めて、最初の10年くらいはほぼ毎日更新した。10年続けるというのは、ブログを始めるにあたって、最初に自分に課した目標で、このブログに関してはすでに成し遂げた気持ちがあった。そこへ来てツイッターが情報発信の主体となり、忙し…

3つの展示

6月一杯は3つの展示の準備に忙殺された。 1つめは、国立科学博物館の特別展「昆虫」で、監修者として5つのコーナーを担当した。 美しい昆虫 すごい形の昆虫 Gの部屋 好蟻性・好白蟻性昆虫 マダガスカル調査 www.konchuten.jp ーーー 次に志摩歴史資料館で毎…

ダサイとカッコ悪い

某テレビ番組の密着取材を受けたとき、私が何でも言えるようにと、毎晩宴会が開かれた。私は警戒しつつ、まずは相手のことを知ろうと、遠慮なく質問する。そして私も、酒の酔いも手伝って、自分のことを話さざるをえなくなる。結局、カメラマンのSさんとディ…

学名の命名権とイベント企画

今年の夏、国立科学博物館で、初の昆虫展が行われる。意外かもしれないが、初である。展示の題は、そのまま『昆虫』。どういう経緯で決まったのかは聞いていないし、なんのヒネリもないように思えるかもしれないが、「昆虫のすべてをみせてやろう」「うちが…

忙しいとバカになる

ここ数カ月、本当に忙しい。「忙しいという字は心を亡くす」とはありきたりの言い方だが、事実としては言い当てている。毎日慌ただしく仕事を片付ける。頭を使う場面もあるが、多くは創造性と無縁である。経験上、こういった忙しさが続くと、なにも思いつか…

秘密の暴力装置

殺したいだとか、死にたいだとか、負の意思を持った時点で、実行したも同じだという宗教的な考えがある。そういう考えには、「意思を実行するか否かは些細な差である」という前提がある。しかし、「実行するとしないでは天と地の差だ」という考え方もあり、…

ネコの魅力

ネコは人気の動物だ。なんてことはわざわざ書く必要もあるまい。なんでネコがかわいいのか考えてみると、あの真顔がいいのだと思う。イヌよりも顔に喜怒哀楽が少なく、基本的に真顔をしている。真顔でドジをしたり、びっくりするくらいに自分勝手にふるまう…

中毒

駅から家に向かう途中にコンビニがあって、帰りに意味もなく立ち寄ってしまう自分に困っている。そして意味もなくお菓子を買って、意味もなく夜中に食べて、意味なく太ってきている。このように、コンビニに立ち寄って何かを意味もなく買ってしまうのは、人…

うなぎ文

5月12日から20日まで、タイに行ってきた。学生の調査に同行するためである。4月から修士課程に新しく入った今田君と井上君の2人は初めての海外調査で、戸惑いつつも楽しい旅行となったようだ。昆虫研究の醍醐味は昆虫採集で、とくに海外での採集はワクワクす…

ひとの間

福岡に住んで10年が経つが、この街をとても気に入っている。食べ物、人柄、気候、たくさんある。しかし、気に入っているだけにこうやって良い部分をあげてもキリがないので、あえて嫌な点をあげてみる。それは地下鉄の乗り方である。かなり混んだ車内であっ…

CombineZPとZereneの比較(メモ)

ここ数カ月は展示や本の関係で昆虫体表面の微細構造の撮影に凝りに凝った。そこで重要になるのが深度合成のソフトである。 これまでCombineZPを使っていたが、Zerene Stackerが高評とのことで、導入してみた。Zerene Stackerは毛の重なりが上手く合成できる…

近況3 花粉症

昨年の春、42歳になって初めて花粉症になった。実はその前から兆候が少しあったのだが、そうではないと自分を信じ込ませていた。しかし昨年から自分を誤魔化すことに限界を感じ始め、いよいよ耳鼻科で診断を受けることとなってしまった。 そして今年は去年よ…

近況2 FEELCYCLE

三日坊主になるとみっともないので、あまりネット上では秘密にしていたが、昨年の2月から「FEELCYCLE」というジムのようなものに通っている。 www.feelcycle.com 50台くらいの自転車(ジム用のバイク)がある会場で、前方にインストラクターの方が乗ったバイ…

近況1 本の予定など

マダガスカルからの帰国後は何かと忙しく、あっという間に4月が近づいてきてしまった。 アルティアムの展示は大成功で、10660名もの来場者があったそうだ。(私の立場としては)当館の宣伝になったのも良かったが、昆虫に普段興味がない人が、昆虫の美しさに…

ラヌマファナ国立公園

1月27日に日本を経ち、28日の晩にマダガスカルのアンタナナリボに到着した。翌29日は政府機関、大学をまわり、許可手続きを進め、30日に車で10時間かけてラヌマファナ国立公園に到着した。ここには2月4日の朝まで滞在。実質4日間の調査だが、山道がとても厳…

展示開幕

天神イムズのアルティアムでの展示「密やかな部屋 きらめく昆虫標本」が始まった。 昨年の春、夏の展示の会場探しのついでに担当の方に挨拶をしたのがきっかけで、たまたま今回の会期に開場が空いていたことから、この展示の開催が決定した。 これまで10回以…