断虫亭日乗

過ぎ去る日々の思い出をつづるだけ

2015-01-01から1ヶ月間の記事一覧

金尾君の公聴会

今日は金尾君の博士論文の公聴会だった。非常に立派な内容だったと思う。 金尾君は修士から九大に来て、一緒にあちこち調査に出かけたり、いくつもの論文を出したりした。私も学生の延長で未熟だったので、指導しつつも、一緒に成長したという気持ちがある。…

再従兄弟

私の再従兄弟(はとこ:父親同士が従兄弟)の丸山太一さんという人と知り合った。クジラの写真家だそうだ。シロナガスクジラの写真がすばらしい。小さい虫を撮影している私とは対照的だが、生き物好きの血筋なのかもしれない。 http://taichi-maruyama.com/

来客

先週、自宅を引っ越したのだが、その際にホコリを吸って喉を痛めてしまい、1週間近く風邪気味だった。しかも荷物の受け取りで午前中に家にいないとならない日が続き、あまり仕事が進まなかった。 今週は飲み会が多く、月曜は東大の伊藤元巳先生を囲む会、火…

書評と増刷

朝日新聞に「昆虫はすごい」の書評が掲載された。取り上げていただいたこと自体はとてもありがたいのだが、本の内容にほとんど触れていないもので、なんだか複雑な気持ちがした。 (売れてる本)『昆虫はすごい』 丸山宗利〈著〉:朝日新聞デジタル (売れて…

カーネット

カーネットトラップのバラバラにできる枠を作った。枠の素材は高橋敬一さんと同じもので、接続部を取り外し可能な金具にした。網の素材については、宮田さんご夫妻と同じテトロンゴースというものを注文した。アリヅカムシの微小種も逃さない目の細かいもの…

段差作戦

最近は高田さんに標本を作ってもらっている。微小種の標本を作っていると、机の上に置いた標本に顔を近づけることを繰り返すのがとても疲れる。頭の良い高田さんは手前に箱を置いて、そこに虫を並べ、あまりかがむことなく虫に顔を近づけ、標本を作っている。

カーネット・イカ図鑑

2月にタイ、3月にマレーシアと、採集旅行の予定が詰まって来た。4月以降も毎月行くことになるだろう。 さて、3月のマレーシアでカーネットトラップ(車の屋根に巨大な網をつけ、車を走らせて飛翔昆虫を採集する方法)をやろうと思っている。日本の第一人…

梅棹忠夫・山と探検文学賞

「梅棹忠夫・山と探検文学賞」の候補作品に小松君の「裏山の奇人」が出ている! http://umesao-tadao.org/4th.html そもそも「売れるのか」と編集の稲さんが心配していた本書だが、結局、「フィールドの生物学」のなかで一番の売れ行きで、しかも高い評価を…

ゲッチョ先生の本2つ

ゲッチョ先生(盛口満さん)の「描き方」の本が立て続けに出たので紹介したい。といっても、1つは2年前だが。 学部生のころからゲッチョ先生の本は穴があくほど読んできた。ゲッチョ先生の本によって、生き物に対する興味の幅が広がり、昆虫以外の標本に対す…

ルバング島

朝から会議。夕方から金尾君の博士論文の相談会。 ーーーー フィリピンの小さな島だが、おそらく日本で屈指の有名な島、ルバング島のカタゾウムシ。珍しい産地。 ルバング島を地図で見ると、ルソン島にある首都マニラのすぐ近くにあることがわかる。そんなと…

近況

いつの間にか時間が経ってしまった。最近は金尾君の博士論文の最終確認と実験の追い込みが続いている。なかなか記載や同定のほうに戻れない。 今日、合間を縫って、初めてtopoisomerase Iというのをやってみたが、難航しそうな予感.... また、試しに形態進化…

東南アジア大陸部の魚類

最近暇さえあれば見ているサイトがある。それは「Fishes of Mainland Southeast Asia」というデータベースサイトである。 データベースとしての重要性は言わずもがな、これが単純に楽しい。非常に直感的に見ることができ、ページ同士のつながり、検索も非常…

そろそろ文筆家?

朝からメールの返信や実験など。正月からあまり休んでいないので、疲れが溜まって来た。 ---- 家に帰ると寄稿した『群像』が届いていた。「私のベスト3」という企画で執筆を依頼され、編集の人には面白いと言っていただけた。3枚(1200字)にちょっと詰め込…

建物が寒い

仕事のほうは順調。新年4日でしかも休日とあって、大学はほとんどもぬけの殻。どの部屋も空調を切っているので、建物全体がものすごく寒い。今日は外のほうがポカポカだった。

一年の計は

元旦には少し遅れたが、今日からきっちり計画を立てて研究を開始することにした。今年も不良債権のように溜まっている研究課題をできるだけ消化したい。 大学に来てわかったのは、現在の大学や研究機関は、サボろうと思えばいくらでもサボれて、本来の研究以…

大晦日

大晦日は、過去にイソハネカクシの新種をたくさん見つけた場所に行き、冬場はどうやって越冬しているかを確認しにいった。しかしあれだけたくさんいたのに、確認どころか、姿形もなかった。礫層が厚いので、相当深くまで潜っているようだ。夏に再び訪れたい。

謹賀新年

昨年は節目ともいうべき40歳を迎え、公私ともにさまざまなことがあった一年だった。 大きな出来事の一つとしては、やはり『昆虫はすごい』(光文社新書)の出版があった。予想を大きく上回る反響があり、ラジオやテレビの出演、雑誌や新聞の取材などにも忙し…